街を歩けば多くの訪日外国人に出会う、今日この頃。観光庁の調査によると、訪日外国人の2018年の旅行消費額は4兆5,189億円となり、過去最高を更新しました。

費目別に見ると、買物代が34.9%と最も多く、次いで宿泊費(29.2%)、飲食費(21.6%)となっています。娯楽などのサービス費は3.8%を占めています。

前年2017年と比べるとどうでしょうか。

買物代は2.2ポイント減少、宿泊費は1ポイント増加、飲食費は1.5%増加、娯楽などのサービス費は0.5%増加しています。

つまり、「物を手に入れる」ことより「日本でしかできない体験」、つまり「コト消費」へと関心が移行しています。

出典:観光庁「2018年(平成30年)の訪日外国人旅行消費額(確報)

「コト消費」って何?

「コト消費」とは、商品やサービスによって得られる”体験”を重視した消費傾向のことです。

公道マリオカート、日本食の料理教室、着物・茶道体験、サイクリングツアー、人力車ツアー、日本食ツアー、忍者・侍体験など、日本ならではの体験に注目が集まっています。

訪日外国人による「コト消費」マーケットの拡大

株式会社Fun Japan Communicationsが台湾・香港・タイ・マレーシア・インドネシア・ベトナム・インドの方々へ、訪日旅行事情について調査を行いました。

日本への旅行前に決めておくことは何か、という質問で、「飲食店」と回答した人は12%~30%の間に留まりました。

一方、「アクティビティ」は27%~64%と、「飲食店」の倍以上の回答を集めています。やはり、コト消費マーケットが拡大しているのです。

出典:「日本旅行の詳細はいつ決める?FUN! JAPAN訪日旅行オンライン調査結果を発表

全国各地で人気の「コト消費」

では一体、どのようなアクティビティが人気なのでしょうか?一例を挙げてみます。

北海道函館市

  • 漁船に乗り、集落跡や伝統漁業のイカ釣りを見る、漁船クルーズツアー

山梨県富士河口湖町

  • 富士山と河口湖を同時に写真に収められるスポットや、毎年4月から5月にかけて開催される芝桜まつり

山梨県富士吉田市

  • 富士山と”京都”の雰囲気が味わえる新倉山浅間公園

徳島県三好市

  • 古民家への宿泊や大歩危峡等の自然渓谷、ラフティングやそば・うどん打ち等の体験型アクティビティ

全国各地で特色のある「コト消費」アクティビティに注目が集まっているんですね。

人気の裏にあるインバウンド対策は?

では、その人気を支えているインバウンド対策にはどのようなものがあるのでしょうか。先程紹介した人気アクティビティを提供している市町村の中から、3つの事例を紹介します。

北海道函館市

  • 民間ではインバウンド消費促進に向けて、朝市での外国語対応、着地型旅行商品の開発、土産物店での外国人店員の配置等を行っている。
  • 民間の取り組みに対し、地方銀行が資金面やビジネスマッチング面で支援。タクシーのICカード対応、宿泊施設のリノベーション等をサポートしている。

山梨県富士河口湖町

  • 宿泊事業者は、夕食なし等の訪日外国人対応プランの策定、Wi-Fi の整備等を積極的に行っている。
  • 一部の小売事業者/飲食事業者は、多言語対応や売り場整備を行っている。

山梨県富士吉田市

  • ゲストハウスや地元有志のおかみさん会が、訪日外国人旅行者向け英語マップの作成を行っている。

ソフト面とハード面、双方の整備が必要

人気絶好調な「コト消費」ですが、課題もあるようです。

地方自治体からは以下のような声が挙がっています。

  • 宿泊施設等で多言語対応できる人材が不足している。
  • クレジットカード対応や両替環境の整備が十分でなく、外国人旅行者がスムーズに買物をできていない。

多言語対応できる人材、すなわちソフト面と、支払い環境などハード面、双方の整備が足りていないということです。

多言語対応については、その言語が話せる人を雇うのは勿論ですが、最近は翻訳デバイスも数多く出回っています。

インバウンド対策に使える!50言語以上対応の小型翻訳デバイス「ポケトーク」

ドラ○もんのひみつ道具?!多言語音声翻訳サービス「メガホンヤク」がすごい!

インバウンドビジネス総合展2017で触ってきた!音声翻訳デバイス「ili(イリー)」

 

私も海外に行った際、翻訳デバイスを使って現地の人と会話をしましたが、思うことをスムーズに伝えられ、大変助かりました。便利な機械はどんどん活用していきたいですね!

各地域の「コト消費」がまとまっている情報サイトも必要

一方、海外の旅行会社は日本のインバウンド対応についてどう思っているのでしょうか。

フランスの旅行会社によると、日本の地方で数多くのアクティビティが提供されていることは把握しているそうです。

しかし、コト消費を提供する事業者が個別に情報提供しているので、情報が散在し、その結果、外国人旅行者・旅行会社からはどのようなアクティビティ、サービスがあるのかわからない状態に陥ってるとのこと。

体験可能な「コト」が一覧化されていること、更に言うと、一つの地域のアクティビティ・サービスがまとまって情報提供されることが望ましいそうです。兵庫県・城崎温泉の「Visit Kinosaki」や、岐阜県・飛騨高山の「SATOYAMA EXPERIENCE」は、地域のアクティビティがまとまって掲載されているので、海外の旅行会社から評判です!

出典:日本政府観光局「訪日外国人旅行者の消費動向とニーズについて

まとめ

モノ消費が全盛だったころは、買い物の際に利用するレジや案内などの機械が代用できる業務のみ多言語化すればよかったかもしれません。アクティビティに注目が集まるこれからの時代は、多言語でコミュニケーションをとれることや、海外の旅行会社・訪日旅行をしようとしている人へ向けて、適切な情報発信が必要です。

地域のアクティビティをまとめたパンフレットやWEBサイトの制作などご興味の有る方は、弊社までお問い合わせください!

 インバウンドらぼ 編集メンバー A.F