どうやら、これからの温泉地には「タイ語」対策が必要なようです。理由は大きく3つあります。

  • 訪日タイ人客は年間100万人以上。
  • 日本の温泉への興味・関心が高い。
  • しかしタイ語以外は通じにくいので、 温泉地での「言語」に不安あり。

では、どういった対応から始めるべきだと思いますか?実情や対策事例を見ながら、一緒に考えていきましょう。

タイから年間100万人以上が訪日

まず、訪日タイ人客数の実情です。先ほど紹介の通り、現在は年間100万人以上が訪日しています(2018年は約110万人)。訪日客数の多さとしては、6番目。思っていたよりも多くありませんか?

2018年だけでなく2019年もまだまだ増加傾向なので、今後はさらに増える見込みがあります。

訪日外客総数
参照:日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数」よりインバウンドらぼが作成

タイ人客から「温泉」への注目アップ中

さて、そんな訪日タイ人客から注目が高まっているのが「温泉」です。株式会社アジア・インタラクション・サポートが発表した「訪日タイ人の人気観光地ランキング2019」では、温泉が4か所もランクインしています。

引用元:株式会社アジア・インタラクション・サポート
訪日タイ人の人気観光地ランキング2019
  • 15位「由布院温泉/湯布院」(前回同様)
  • 18位「別府温泉/別府」(前回35位)
  • 26位「城崎温泉」(前回25位)
  • 30位「銀山温泉」(前回52位)

由布院温泉と別府温泉は大分県、 城崎温泉は兵庫県、銀山温泉は山形県の温泉です。注目すべきは、別府温泉と銀山温泉の伸び率でしょう。前回から大幅に順位が上がりました。

また、「河口湖」や「ガーラ湯沢」、「地獄谷野猿公苑」など、近隣に温泉があるスポットもランクインしています。

行きたい温泉があるタイ人は「100%」

観光経済新聞とDIマーケティング(現DI Asia)による2018年の調査では、「日本の温泉に興味がある」と「行きたい温泉がある」と答えた人は100%でした。ちなみに最も注目されていたのは「草津温泉」のようです。

引用元:観光経済新聞
【データ】タイ人の100%が「日本の温泉に興味」 本社・DIマーケティング調査

タイ人は英語が得意?答えはNO

さて、これだけ「温泉」に注目が集まっているものの、温泉地での言語対応に不安を持つタイ人客が多いようです。下記を見てみましょう。

引用元:観光経済新聞
【データ】タイ人の100%が「日本の温泉に興味」 本社・DIマーケティング調査

「温泉に行く際に不安なこと」として、「言語」と回答した人が72%もいます。これは、タイ語が独特なもので、またタイ国内において外国語を母国語同様に扱える人が少ないからだと思われます。

タイ人も英語は苦手

例えば英語。もしタイ人客にも通じたら、対応はスムーズに行きそうですよね。しかしながら、タイ人客は英語が苦手な人が多そうです。イー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパン株式会社が発表した「世界最大の英語能力ランキング」を見てみましょう。

引用元:イー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパン株式会社
世界最大の英語能力ランキング 第8版」(PDF)

日本が49位(88か国中)なのに対し、タイは64位。日本人も英語が得意な人が多くありませんが、タイ人もまた同様であると言えそうです。もちろんタイ語自体に、中国語や韓国語と互換性があるわけでもありません。タイ人客にマナー良く温泉を楽しんでもらうには、タイ語対応が重要と言えそうです。

では、タイ語対応は進んでいるの?

しかしながら、現状としては温泉地でのタイ語対応はまだ普及していないと考えられます。温泉関係の大きな協会のサイトを見てみると、対応しているのは英語や中国のみということも。

多言語対応の不足は、「混雑」や「サービス低下」につながります。

例えば、タイ人客が入浴券を買うのに戸惑っているのに全くサポートできなかったら、行列は増える一方でしょう。ルールを知らないタイ人客の入浴マナーについて、日本人客からクレームが入ることもあるかもしれません。

事例紹介

では、どんな対応をしたら良いと思いますか?参考までに「由布院温泉」のある大分県由布市の事例を見てみましょう。

引用元:大分県由布市「観光パンフレット(タイ語)

こうしたものを用意されているのは流石ですね。ウェブサイト内の温泉ページにて、タイ語のパンフレットをダウンロードできるようにしています。観光エリアの紹介だけでなく、温泉も含めてマナーやルールも掲載しているため、注意喚起はもちろん、タイ人客に安心感を抱いてもらうきっかけになっていそうです。

またウェブからダウンロードできるため、タイにいるうちに「学んでもらえる」というメリットもあります。簡単なことでも、メリットはさまざまです。

ちなみに、タイ語以外にも、日本語・英語・中国語<簡体字&繁体字併記>・韓国語のものもありました。

タイ語は難しい

タイ語はかなり難しい言葉です。中国語のように、声の高低や上げ下げで異なる意味を表現する「声調」もありますし、何より字が難しいです。

สวัสดี

これは「こんにちは」を示す「サワディー」の文字。漢字にもアルファベットにも近くありません。タイ語の対応には、タイ語識者に力を借りた方が安心ですね。

まずは、料金表やマナー説明の多言語化から

最初はハードルを上げずに、最低限の対応をできるようにしましょう。入浴券の買い方・温泉に入るマナーの説明はできるようにしておいた方が良いと思います。

その際、タイ語を自ら覚えて接客できたら良いと思いますが、まずは、指さしでコミュニケーションをとれる「コミュニケーションボード」や、イラストも活用したマナーガイドを設置してみてはいかがでしょうか。

タイ人客の満足度向上はもちろん、タイ人客と日本人客とのトラブル防止にも役立つと思われます。すでに他の外国人向けに同様のものを制作されているのであれば、そうしたものを活用した翻訳も可能です。

翻訳に限らず、制作物に関して気になることがありましたら、ぜひ弊社にご相談ください。

追記:そもそも個室のお風呂が必要?

記事アップ後、SWIMさんから下記のようなコメントを頂きました。

タイ人の場合、人前で裸になるのは恥ずかしく、ほとんどの方が個室を希望されるようです。(そういった設備を完備しているのなら)そうした情報の発信が求められてくるようです。ぜひ、サイトなどにそういった情報の掲載も検討してみてください!

まとめ

1つのテーマを掘り下げると、いろいろなことが見えてきますね。さて、今回の内容は下記の3点にまとめられます。

  • 訪日タイ人客は、現在年間100万人超。インバウンド市場でも存在感が大きいです。
  • タイ人客から、「温泉」への関心が高まっています。今後温泉を訪れるタイ人客が増えるでしょう。
  • タイ人客とのコミュニケーションには、タイ語が不可欠。まずは、最低限の準備を。

もちろん、タイ語以外の対応も弊社では承ります。気軽にご相談ください!

インバウンドらぼ 編集メンバー J.M