「外国人にウケるデザインとは?」を学ぶため、さまざまな方にお話を聞く「インバウンド×デザイン」。
第2回のゲストは、株式会社Guidableの田邉 政喜社長と、佐々木 英祐CTOです。複数のメディアを運営しているGuidableですが、今回は「Guidable Jobs」「Guidable Crew」、2つの求人メディアを中心にお話を伺いました。
「求人」という専門的な内容ですが、生活に近い部分だからこそ発見のあるお話を聞けました。早速ですがどうぞ!
既存サイトから、問題点を見つけた
―サイト制作の際は、どんなリサーチをされましたか?
田邉:「Guidable Jobs」制作時は、まず既存の競合サイトを調べました。
―在留外国人向けの求人サイトですね。
田邉:そうです。色々と見ていくと、どれも文字ベースなことに気付きました。写真をほとんど使っていなかったり、掲示板のようなものだったりと、視覚的に仕事のイメージをしづらいものが多い印象でした。
―問題点を発見したわけですね。
田邉:はい。一方で、日本人向けの求人サイトも調べました。すると、画像を多用した「見やすい」サイトが多いことが分かりました。それを踏まえて、我々のサイトは「視覚的に分かりやすい」サイトにすることで、既存の在留外国人向け求人サイトと差別化ができると考えました。
―海外のサイトもリサーチされましたか?
田邉:「Guidable Jobs」リニューアルの際は、海外のサイトを大分参考にしました。分かりやすいところで言うと、「Apply」ボタンの位置です。画面上部に固定しています。

田邉:海外の多くのサイトで、このような仕様になっています。
―海外サイトの「スタンダード」を取り入れたのですね。
佐々木:常に他社のリサーチを行って、トレンドなどを取り入れられるようにしています。今年リニューアルした際も、求人サイトに限らず「メディア」のトレンドをリサーチして、サイトに反映しました。
―具体的には、どういう点が変わったのですか?
佐々木:トップページを例にお話すると、以前は検索窓が中心だったのを、「視覚的なわかりやすさ」を大事にして、アイコンなどを導入しました。

社内の外国人スタッフの声を反映する
―リサーチは、どう活かしましたか?
田邉:リサーチ結果は、ラフデザインの作成に活かしました。さらにそこから、ラフデザインを社内の外国人スタッフに見せて、ヒアリングも行いました。すると、「時給を前面に出そう」とか「タイトルもっと大きくしたい」などの意見が出てきました。
―在留外国人の方からしても、給料面は重視するポイントでしょうか?
田邉:そうですね。人間として、働く上で重要なポイントですから。ですが、「Guidable Jobs」のリリース当初は、検索結果には給料を表示しない方針でした。
―え!なぜですか?
田邉:競合のサイトなどを見ても、給料は表示されています。ただ、給料が表示されていると、給料の高いところだけ閲覧回数が増える傾向があります。
―なるほど。
田邉:我々としては、「色々な企業様が求人できる場にしたい」という思いが強くありました。なので、給料面にフィーチャーせずに、写真や求人タイトルなどを立てることで、興味を持ってもらえないかと当初は考えていたわけです。
―ただ、やはり給料面も大事だということで、現在は掲載されているわけですね。
田邉:そうですね。ABテストを実施したところ、給料が検索結果画面に出ているかどうかでクリック率が異なることが判明しました。検索結果画面に給料の情報がないと、面接に行く前に給料が分からない求人サイトなのではないかという懸念からですね。
弊社としては、給料以外のところで訴求できる求人サイトを目指す方針は変わっていませんが、まずユーザーのクリックがないと応募まで繋がりませんので、検索結果画面に給料の情報を出すという決断をしています。

佐々木:また、企業様ごとに打ち出されたい部分も変わります。「労働条件」が強みなら「1日3時間~」とか、「給料」が良いのなら額を強調するなど、強みやご希望もくみ取れるようにしています。
―ちなみに、外国人の方だからこそ重要視するポイントはありますか?
田邉:1点だけあります。「必要とされる日本語のレベル」です。当社サイトでは、全ての仕事に記載しています。
ーなるほど。言語力がマッチしていないとお互い大変ですもんね。
田邉:そうですね。ただ、「日本語のレベル」については企業様にご提案していきたい点もあります。たとえば、業務内容に対して、求める日本語のレベルが適正かという点です。「流暢に話せないとならないのか」「ある程度のコミュニケーションで成立するか」など、一緒に考えさせていただければと思います。
ミスマッチを防ぐ、システム・画面表示
―それぞれのサイトのコンセプトを教えてください。
田邉:「働き方」のスタイルが、コンセプトの違いになっています。「Guidable Jobs」は、アルバイトや正社員など「雇用」、「Guidable Crew」は、スポット業務など「業務委託」の求人サイトです。
―具体的にどのような差がありますか?
佐々木:「Guidable Crew」は、スポットのお仕事なので「(企業様が)気軽に仕事を頼めること」を大切にしています。たとえば、外国人の方が日本で働く際は「在留資格」が必要です。この在留資格や在留期間が記載れた「在留カード」を、外国人利用者には事前にアップロードしてもらっています。そのため、企業様側はサイト上で応募者の在留関係の情報を確認できます。
―「Guidable Jobs」はいかがですか?
佐々木:「Guidable Jobs」では、応募する際に持っているビザの種類をあらかじめ登録してもらいます。利用企業様は応募者の在留資格を管理画面で確認し、面接するかしないかを判断することが可能です。
外国人利用者向けの画面では、「Apply」ボタンの近くに「あなたのビザで働けますよ」のような一文を表示しています。

―視覚的なフォローでミスマッチを防いでいるんですね。
佐々木:意外と、「自分のビザで、どんな仕事に就けるか」まで把握できていない方が多いです。「この仕事は、自分のビザで大丈夫」と応募前に安心してもらえたら嬉しいです。
―応募条件を満たしているか先に分かるんですね。
田邉:外国人利用者と同じように、募集される企業様も気にされます。双方にメリットがあるんです。
自社の他メディアも意識したメインカラー
―視覚面の話に戻ります。サイトのメインカラーはどう決められたんですか?
田邉:「Guidable Jobs」のメインカラーは青です。当社が最初に立ち上げたメディア「Guidable Japan」のメインカラーが赤で、コーポレートカラーも赤です。それと差別化するために、違う色を選びました。
佐々木:「Guidable Crew」は、「Guidable Jobs」と差別化するために緑系の色にしました。中でも「清潔感」を大切にして、今の色を選びました。

―色に持つイメージは、外国人の方も基本的に同じなんですか?
佐々木:基本的には、大きなズレを感じないです。あとは人によりますね。
テキスト周りも外国人目線を
―文章の表現として気を付けていることはありますか?
佐々木:テキストはまず日本語で考えて、それを外国人スタッフに自然な英語の表現に修正してもらっています。また、テキストの配置場所なども相談しています。ターゲット目線の生の声を聞いて、それを反映しています。
―なるほど。
佐々木:あと、テキスト量の問題ですね。日本の求人サイトぐらいの情報を載せようとすると、テキスト量も相まって凄くゴチャゴチャして見えてしまいます。やはりシンプルにしたいので、ニーズをくみ取りながら、削ぎ落す要素を見つけるのは難しいです。
“外国人と日本人の境界線をなくす”
―今後の展望をお聞かせください。
田邉:「外国人と日本人の境界線をなくす」という企業理念に則って、在留外国人の方に向けたサービスを充実したいと思っています。外国人が日本人と同じように暮らせる世界を実現できたらいいなと思っています。
ハードルになっていることは多数あると思います。最初にアプローチしたのは、日本に住み続ける・暮らす上で大切な「お金」を稼ぐための「働く先」です。これは先述の通り、「雇用」と「業務委託」という2つの側面からサービスがあります。
なので、今後はさらに「その先」の部分のサポートを拡充したいと考えています。現在は「送金」に関するビジネスを考えています。アジアの方が増えていますよね。彼らが日本で稼いだお金を、自国により送りやすくしてあげたいと思っています。手数料および利便性の両面で。
―国も「キャッシュレス」化に力を入れていますよね。
田邉:そうですね。そこに則した形で、何かできたらなと思っています。
―本日はありがとうございました!
(取材・編集・文)インバウンドらぼ編集メンバー J・M
PR:Guidableの運営するメディア
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