訪日外国人による、観光需要の拡大が加速していることは周知の通りかと思います。

そんな中、「キャッシュレス決済」での支払い需要に応え、飲食店・宿泊施設・公共機関・商業施設などで、電子決済やクレジットカード対応設備の導入が年々増えています。

そこで気を付けたいのが、偽造クレジットカードによる犯罪です。

今回は、外国人による犯罪の現況を見ながら、どんな事例があるのか見ていきたいと思います。

犯罪数は、客数と比例していない

まずは、外国人の犯罪状況全体を俯瞰してみましょう。

2018年、警察が検挙した訪日外国人による事件は、全部で16,235件(刑法犯罪:9,573件、特別法犯罪:6,662件)でした。これは、日本国内の総検挙数の約3%の数字です。

当たり前のことですが、犯罪全体の割合を考えると、そこまで多くありません。

続けて、下のグラフを見てください。これは1989年(平成元年)~2018年(平成30年)までの、外国人犯罪検挙件数の推移です。

引用元:警察庁「平成30年における組織犯罪の情勢」(PDF)

ピークは2005年(平成17年)の47,865件。2018年の検挙兼巣は16,235件だったので、ピークから大幅に減少したことが分かります。

ちなみに、2005年の訪日外客総数は、約670万人。2018年は、約3,100万人。

訪日外国人客数がこれだけ増えたというのに、外国人犯罪の件数は比例して増えるどころか、減少しました。これは、「治安の維持」という観点から喜ばしいことです。

というのも、世界一のインバウンド誘致を誇るフランスは、テロ事件後、海外からの旅行客が一時的に激減しました。

「危険」というイメージが、いかに観光へ影響を与えるか分かりますね。

観光立国を目指す日本にとって、「治安の維持」は、今後も必要不可欠と言えそうです。

偽造カード犯罪には注意

外国人犯罪は、特段増えているというわけではありませんでした。ただ、ビジネスをする上では「偽造カード犯罪」に気を付けたいところです。

なぜなら、海外と比較して偽造カード対策が進んでおらず、外国人犯罪グループが日本を標的にしていることもあるからです。

実際、摘発件数は、2016年に24人だったのが、2017年には74人に急増。手口の巧妙化も相まって、警察も警戒しています。

例えば、下記のような実例があります。

  • 百貨店やコンビニで偽造カードを用い、ブランドバックやたばこをだまし取る
  • 他人のクレジットカード情報を印字した偽造カードで、コンビニで電子たばこなどをだまし取る
  • 偽造カードをスマートフォンの電子決済システムに登録し、大量の商品をだまし取る

参照:警察庁「平成30年における組織犯罪の情勢」(PDF)

近年は、スマートフォンのメッセンジャーアプリなどが連絡手段となっていることもあり、犯罪の匿名性・広域性の強まりが懸念されています。

まとめ

訪日外国人客数の好調な増加と、外国人犯罪の件数は比例していないことが分かりました。

しかしながら、「偽造カード犯罪」には気を付ける必要がありそうです。

カード会社側もさまざまな取り組みをしています。

例えば、ICチップが埋め込まれているクレジットカードが最近増えています。これは、使用の際にICチップに事前登録した暗証番号が必要なものです。店舗側に対応する機器が必要なものの、不正利用の抑止力になっています。

また、セキュリティコードや生体認証など、カードの持ち主にしか分かり得ない情報を決済の一部に取り組むことも増えてきました。

そういった最新のシステムに対応するために、店舗内機器のアップデートが、今後必要なのかもしれません。

また、クレジットカード決済は、訪日外国人の中でも「現金」に次いで多い支払方法です。2018年は、全体の約57%が使用したと回答しています。
(参照:観光庁「訪日外国人消費動向調査」)

偽造カードへの対策としてだけでなく、訪日外国人の方に喜んでもらえるように、 キャッシュレス環境のアップデートを考えてもいいのかもしれません。

政府や自治体なども、2020年の東京オリンピックに向けて「キャッシュレス決済」の導入を推奨しています。

たとえば、下記のような補助金もあります。

こういったものをうまく活用しながら、「キャッシュレス決済」環境の整備を進めてみてはいかがでしょうか。

インバウンドらぼ 編集メンバー M.N