「多言語対応」の際に怖いのが「誤訳」。せっかく翻訳したのに、「伝えたいこと」と全く違う意味になっていたら?想像するだけで身震いしてきます。

さて、そんな誤訳への対策に役立つのが、「誤訳のパターン」を知ることです。パターンの知識があれば、チェックの際に誤訳に気付きやすくなります。

今回は、観光庁発表の「公共交通機関における多言語表記」調査結果概要(PDF)」をもとに 「公共交通機関編」として、どんな誤訳が多いのかを調べてみました。

さっそく見ていきましょう。

「小人」 → 「dwarf」

運賃表などでよく見かける「小人」の表記。「大人」に対する言葉ですが、なんと「dwarf」と訳されていることが少なくないようです。

「dwarf(ドワーフ)」とは、「小人(こびと)」のこと。童話やファンタジーが好きな方にはおなじみの言葉かと思います。

「日本って、ファンタジックだね!」なんて思われているかもしれません。

そもそも運賃表の「小人」は「こびと」と読まないようです。「しょうにん」が正しく、小人とも意味が違います。

しょうにん【小人】(名)〔文〕
〔入浴料・入場料などで〕子ども。
(↔大人(だいにん))

引用元:三省堂「三省堂国語辞典 第七版」

「子ども」を指すことから、「小人(しょうにん)」は「child」や「children」が適切ではないでしょうか。

ちなみに、「料金」も英語では言い方がいろいろあります。交通機関の場合は「Fare」が一般的です。(「Price」は商品の価格を指す場合に主に使われます。)

文字面ではなく、意味を考えた翻訳の重要性が分かります!

「遺失物センター」 →  「Forgotten Center」

「Forgotten Center」は「忘れられたセンター」。なんだか切ない響きです。

この場合、「遺失物取扱所」として「Lost and Found」と訳すと、多くの人に理解してもらえるようです。

直訳ではなく「役割」や「伝えたい」ことから、適切な言葉を選ぶことも大切ですね!

「発券所・発売所」 → 「release place」

「release place」を日本語に訳すと、「発売される場所」。

何かそれっぽい感じですが、「発券所」を指す場合に英語でこの表現は使われません。

ticket counter」など、適した言葉があります(券売機なら「ticket machine」など)。

ただ、実際のところ「Ticket」だけでも通じるかもしれません。券売機などを見てみると「Ticket」と書かれているものも多いです。

反対の立場で考えてみまましょう。私たちが海外に行った際、券売機に「きっぷ」と書いてあれば、理解できる気がしませんか?

シンプルでいいから、言いたいことが伝わることが大切!

誤訳の原因は?

上記のような誤訳は、

・原文の直訳
・自動翻訳

が主な原因のようです。

自動翻訳も便利ですが、翻訳後のチェックの重要性も分かります。

また、誤訳以外にも

・原文を取捨選択しないことによる、煩雑な訳文
・和製英語の直訳(例:「ダイヤ」のもととなった「diagram」は「図」という意味なので日本語の意味と違う。)

も問題となっています。

伝えたいことは何なのか?」「その表現で問題ないのか?

この2点を意識して、訪日外国人客にも分かりやすい文章にしたいですね。

まとめ

第三者目線で見ていると面白いですが、訪日外国人客目線で見ると、かなり「?」です。

また、サービス提供側の目線で見てみると、せっかくお金をかけたのに、初歩的なミスで想像したように機能していないことにショックを受けそうです。

「とりあえず」ではなく、多言語対応をするなら「しっかりと」が、ビジネスチャンスを逃さない秘訣かもしれません。

もし「しっかりと」多言語対応されたい場合は、ぜひ弊社にご相談ください。

インバウンドらぼ 編集メンバー J.M