前回、街中の「TAX FREE」について調べてみましたが、今回は「TAX FREE」を実施できる店舗「輸出物品販売場」の許可申請について調べてみました。

免税店(輸出物品販売場)になるには

「輸出物品販売場」 とは、いわゆる「免税店」の正式名称です。では、この「輸出物品販売場」の許可を得るための申請先や条件、申請方法、審査内容は?

さっそくですが、ご紹介していきます。

1.納税地を所轄する税務署に申請を行う

「輸出物品販売場」の許可を得るために必要なのは、税務署への申請です。

複数店舗の場合は、同じ経営者の系列店でも店舗ごとに許可が必要となります。ただし、複数店舗分をまとめて申請することは可能です。

2.申請時に持っていくもの

「輸出物品販売場許可申請書(一般型用)」に記載したものを提出します。
国税庁HP:一般型輸出物品販売場許可申請手

また、以下のような参考書類を添付します。

●許可を申請する販売場の見取図

●社内の免税販売マニュアル

●申請者の事業内容が分かるもの(会社案内、ホームページ掲載情報があればホームページアドレス)

●許可を受けようとする販売場の取扱商品(主なもの)が分かるもの(一覧表など)

※他にも添付書類が必要な場合もありますので、申請の際はお近くの税務署にご相談ください。

必要な参考書類が揃っているかチェックできる自己チェック表もあります。ぜひ、参考にしてみてください。
輸出物品販売場許可申請書添付書類自己チェック表(PDF)

3.審査内容は主に3つ

審査する主な内容は「税金を滞納していないか」「場所は訪日外国人客の利用が見込めるか」「免税販売手続をする設備が準備できるか」の大きく3つになります。

1.次のイ及びロの要件を満たす事業者(消費税の課税事業者(※)に限る。)が経営する販売場であること。
 イ:現に国税の滞納(その滞納額の徴収が著しく困難であるものに限る。)がないこと。
 ロ:輸出物品現に国税の滞納(その滞納額の徴収が著しく困難であるものに限る。)がないこと。

2.現に非居住者の利用する場所又は非居住者の利用が見込まれる場所に所在する販売場であること。

3.免税販売手続に必要な人員を配置し、かつ、免税販売手続を行うための設備を有する販売場であること。 (※)その課税期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者で、免税事業者に該当する者は、課税選択の手続きを行うことで課税事業者となることが出来る。

引用元:消費税免税店サイト「免税店になるには 3 何を審査するの?」

文中に出てくる「非居住者」とは、国内に「住所」もしくは1年以上の「居所」を持たない人のことです。詳しくは下記ご参照ください。

我が国の所得税法では、「居住者」とは、国内に「住所」を有し、又は、現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人をいい、「居住者」以外の個人を「非居住者」と規定しています。

引用元:国税庁「居住者と非居住者の区分 」

項目3.の「必要な人員」と「免税手続きを行うための設備」は一見難しく見えますが、以下(1)(2)の条件が満たされていれば大丈夫です。

(1)免税販売手続に必要な人員の配置ができている
「必要な人員」とは、免税販売の際に必要となる手続を非居住者に対して説明できる人員のことです。 外国語については、母国語のように流ちょうに話せる必要はなく、パンフレット等の補助材料を活用して手続きを説明できる程度で差し支えありません。

(2)免税販売手続を行うための設備を有している
免税の対象者であることの確認(対象者についてはこちら/前回記事)や購入記録票の作成など、免税販売の際に必要となる手続を行うためのカウンター等の設備が必要となります。 なお、免税販売のための、特別なカウンターを設けることまでを求めているものではありません。

大まかにまとめると「国税の滞納がないこと」「非居住者に利用される見込みがあること」「免税対応のための人員および設備の準備」と言えそうですね。なかなか大変そうです。

「手続委託型消費税免税店」とは

ここまで、小売店ごとでの免税対応について見てきましたが、小さな店舗が人員や設備確保を行うのは大変だと感じませんか?

実は、商店街やショッピングセンターといった団体で、一括して免税カウンターを設置することで「免税店」となることができる「手続委託型消費税免税店」という形態があります。

手続委託型消費税免税店は、商店街・ショッピングセンター及びテナントビルなどの特定商業施設内で非居住者に対して物品を販売する場合、その免税販売手続を免税カウンターを設置する事業者に代理させることが出来ます。

消費税免税店の手引き 手続委託型消費税免税店の概要 より

「手続委託型消費税免税店」には、免税を利用した人にもメリットがあります。

消耗品の場合、免税の適用条件として「1人が同じ店舗で1日に買った購入合計額が5千円~50万円までのもの」というものがあります。(詳しくはコチラ

これが「手続き委託型消費税免税店」であれば、商店街やショッピングセンターなど「特定商業施設内」での購入金額が合算して「5千円以上(税抜き)」になれば、免税対象となります。

一つの店舗で「5千円」って、割と高額ですからね。複数店舗をまたげるのは、大きなメリットのように思います。

「特定商業施設」として、商店街やショッピングセンターを例に挙げました。もう少し詳しく種類分けや条件が決められています。次の章で見てみましょう。

特定商業施設の種類

さて、「手続委託型消費税免税店」になるための「特定商業施設」とは?種類や販売店の条件のほか、免税カウンターの設置場所まで決められています。見ていきましょう。

●商店振興組合 例:商店街
・免税カウンター設置場所:商店街振興組合の定款に定めた地区
・販売店舗の設置要件:上記地区に所在し、商店街振興組合の組合員であること

●事業協同組合 例:商店街
・免税カウンター設置場所:事業協同組合の組合員が形成する一の商店街
・販売店舗の設置要件:上記商店街に所在し、事業協同組合の組合員であること

●大規模小売店 例:ショッピングセンター等
・免税カウンター設置場所:大規模小売店の施設内
・販売店舗の設置要件:大規模小売店の施設内

●一棟の建物(不動産登記上) 例:テナントビル等
・免税カウンター設置場所:一棟の建物内
・販売店舗の設置要件:一棟の建物内


参照:観光庁・経済産業省「消費税免税店の手引き 」

商店街、ショッピングセンター、それにテナントビルも。上記に該当するようであれば、「免税店」になる提案をお仲間にされても良いかもしれませんね。

まとめ

前回に引き続き、「TAX FREE」および「免税店」について調べてみました。

免税店になる方法は、個店舗で免税対応するもの、ショッピングセンターや商店街で一括して免税カウンターを設置できる「手続委託型消費税免税店」の形態がありました。

個人店の場合、対応できる人員や場所の確保が難しいですが、商店街やショッピングセンターで一体となって対応すれば、各店舗の負担を軽減しつつ実現ができそうです。

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インバウンドらぼ 編集メンバー M.H