日本の夜の観光スポットが少ないことを不満に思う訪日外国人客は多く、夜に楽しめる場所を増やすことで、訪日外国人客1人当たりの観光収益を増やすことにも期待出来ます。

前回(「朝活」ならぬ「夜活」に経済効果あり?ナイトタイムエコノミーとは。)ナイトタイムエコノミーについて取り上げましたが、今回はそれに関連し、アジアの国々の夜市について取り上げてきたいと思います。

夜市とは、主に東南アジアや中華圏にあり、夕方から深夜にかけて営業している露店や屋台など小さな店舗の集合体です。その場で食べられる飲食物をはじめ、服飾品や雑貨、日用品などの多様な店舗が軒を連ねています。

東南アジアや台湾などでは暑い日中を避けて涼しくなる夕方から夜に買い物をするため、夜市が盛んに行われてきました。現在では地域住民だけでなく、国内外の観光客数を増やしているようです。

タイの事例

絶景が見られる夜市、Talat rotfai ratchada (タラートロットファイ・ラチャダー) タラートロットファイ・ラチャダーのテント群引用元:タイ国政府観光庁公式サイト ラチャダー鉄道市場

バンコクのラチャダーピセーク通り沿いに、2015年1月にオープンしたばかりの新しい夜市です。

MRTのタイカルチャーセンター駅から徒歩3分ほどにあり、夜市のカラフルなテントがSNS映えすると若者や外国人客に注目されている夜市です。
ちなみに、

SNS映えの絶景は、駅に隣接しているエスプラネード・ショッピングセンターの立体駐車場4階から撮影できるそうです。

常設店舗が入るメインの建物はレトロなアメリカの雰囲気ですが、屋台は夜市らしい雰囲気でローカルなタイを味わえます。また、常設店舗は清潔でお洒落な雰囲気の飲食店となっています。屋台の食べ物には少し抵抗があるという人や、欧米を中心とした外国人客に人気があるようです。

カンボジアの事例

アンコールワットのお膝元、シェムリアップ市の5つの夜市カンボジアの夜市で売られる果物世界遺産アンコールワットの所在地シェリムアップ市にも夜市があります。世界中から外国人客が訪れる観光地である同市には、市内中心部にバーやパブが集まる「パブストリート」があります。

そしてその周辺には、「アンコール・ナイトマーケット」「ヌーン・ナイトマーケット」「シェムリアップ・ナイトマーケット」「BBナイトマーケット」「シェムリアップ・アートセンター・ナイトマーケット」の5つの夜市が点在しています。

屋台の料理のほかに、アジアンテイストな服飾品や雑貨などのほか、ご当地Tシャツなどお土産になりそうな物が安く売られています。また、ドクターフィッシュを使用したフットケアのお店が複数あることも特徴です。

夜市ごとにも違いがあり、5つ全てパブストリートから徒歩5分圏内にあるので、複数の夜市をはしごして楽しむこともできます。

台湾の事例

台湾は、ほとんどのガイドブックで夜市が取り上げられるほどに観光名所として浸透しています。今回は、その中でも2大夜市といわれる2つを紹介します。

饒河街(ラオホーガイ)観光夜市 台湾の饒河街(ラオホーガイ)観光夜市引用元:台湾 交通部観光局当サイト 饒河街観光夜市

饒河街観光夜市 MRTの松山(ソンサン)駅から徒歩3分ほどの夜市です。

1987年、元々は貨物輸送の物流拠点だった街に、台北市により地域再活性化のため立ち上げたられた夜市です。

600mほどの一本道には、名物の胡椒餅(フージャオビン)をはじめとした食べ物の屋台や雑貨販売をする屋台、日本のお祭りにあるようなゲームの屋台もあります。

士林(シーリン)夜市引用元:台湾 交通部観光局当サイト 士林観光夜市

こちらの夜市も最寄り駅に近く、MRTの劍潭(ジェンタン)駅から徒歩3分ほどの場所にあります。

歴史は古く、1909年に士林市場として形成されたそうです。当時建てられた市場が老朽化したため2011年11月にリニューアルされ、エスカレーターやエレベーターだけでなく、授乳室もつくられました。

また、士林夜市は外国人客向けのサービスに力を入れており、2016年には無料Wi-Fiや外国語対応の店舗を増やすなどの施策が行われています。

参考:出島ニュース 台湾の士林夜市が外国人観光客向けサービス強化、無料WiFiや充電

日本の事例

アジア各国は、住民になじみ深い夜市を、観光資源として活用しています。
日本でも、それに倣って夏から秋の時期限定で夜市を開催している都市があります。

福岡市博多区中洲 千年夜市博多区中洲 千年夜市の様子引用元:千年夜市

千年夜市はアジアの夜市をモチーフに「福岡・博多の安心で安全な新しい夜の遊び場づくり」として2013年にスタートされ、8月から10月の週末(金土日曜日)に行われています。

元々、ラーメンやおでんなどの屋台が有名な博多区中州ですが、千年夜市では、食べ物だけでなく雑貨の販売や、音楽ライブ、占いなどの多種多様な店が軒を連ねています。

また、公式Facebookページには、日本語のほか英語・中国語・韓国語の三か国語に対応するなど、訪日外国人客への対応へも注力しています。

公式サイト
Facebookページ(日本語)

まとめ

紹介した国・地域と日本の観光客1人当たりの収益を、UNWTO(国連世界観光機関)のデータをもとに表にしてみました。

  国際観光客到着数 国際観光収入
  各国合計 各国合計 1人当たり
単位 1,000人 100万米ドル 米ドル 円 ※
タイ 29,881 44,553 1,491.01 168,603.9
台湾 10,440 14,406 1,379.89 156,037.4
日本 19,737 24,983 1,265.80 143,136.1
カンボジア 4,775 3,130 655.50 74,123.6

参照元:UNWTO「Tourism Highlights 2016 Edition(pdf)
※2018.11月レート換算。1ドル113.08円。1人当たりの観光収入はコア・アド・インフィニティが算出

夜市だけの結果ではないですが、夜も楽しめる場所があることは観光収入の増加にもつながるのではないでしょうか。

また、日本でも夜市を定期開催している場所があるのは驚きました。

2018年の千年夜市は、すでに終了してしまいましたが、千年夜市の実行委員会は2017年に引き続き、2018年の年末12月22~31日の10日間にも福岡市博多区の中州で新年夜市を開催する予定だそうです。

お近くの方や旅行を予定している方はぜひ行ってみてはいかがでしょうか。

インバウンドらぼ 編集メンバー M.H