世界中の観光地で、近年「オーバーツーリズム」が問題になっています。

「オーバーツーリズム」とは、「観光地が耐えられる以上の観光客が押し寄せる状態(引用元:ジャパン・ワールド・リンク)」のこと。観光庁が「持続可能な観光推進本部」を設置するなど、日本国内でも対策が求められている状況です。

そんな中、世界遺産を有する白川村で「オーバーツーリズム」対策が実施されることになりました。白川村の問題と、その対策を見ながら「オーバーツーリズム」について考えてみましょう。

大渋滞に、言語・文化の相違によるトラブル

岐阜県西北部、大野郡にある白川村。

村民1,700人に対して、年間の観光客は約170万人。
1年に村民の1,000倍以上の観光客が訪れています。

特に「白川郷の合掌造りの集落」はいつも人でいっぱいです。

雪の降り積もる時期に実施されるライトアップイベントには、1回あたり7,000~8,000人もの観光客が訪れます。しかも、イベント時の観光客のうち50~70%は訪日外国人。国内外を問わず人気のスポットなのです。

合掌造りの家雪の降り積もる時期にはライトアップイベントが行われる
写真引用元: プレスリリース

しかし、このライトアップイベントに「オーバーツーリズム」の影響が特に出ています。

近年のイベント当日は、白川郷を目指す道路で毎年大渋滞が発生するほか、文化や言語の相違による訪日外国人とのトラブルが絶えないそうです。

2017年からは、外国人対応スタッフの配置や、白川郷を一望できる展望台行きシャトルバスの整理券の配布など行ったそうですが、トラブルは発生してしまったそうです。

並ぶ人々イベント時の観光客の50~70%は訪日外国人
写真引用元: プレスリリース

対策として、イベントを完全予約制に

「オーバーツーリズム」に悩まされていた白川村が取ることにした対策。それは、ライトアップイベントへの「完全予約制」の導入です。入場できる人数を制限するとともに、予約情報を活用して効率的な人員配置などを実施しようという取り組みです。

ライトアップイベント当日は、次のいずれかの予約ができていないと、イベントに参加できません。

①当日村内に宿泊 ※2019年分は既に締め切っています
②日帰りで駐車場を利用 ※2019年分は既に締め切っています
③ツアーバスで参加
④公共バス ※2019年分は2018年10月1日から予約開始予定
①と②に関しては、観光協会経由での予約(抽選)が必要です。抽選サイトは日本語のほか、英語と中国語(繁体字)に対応。抽選から決済まで一貫して行えるイベントアプリ「Peatix」が採用されています。
 
③と④は、各事業者からの予約が必要です。
 
これら①~④の情報を活用して、当日の人員配置などを効率的に行うようです。
 
ちなみに2019年は、下記日時で開催予定です。

回数 開催日時 照明時間
第1回 1月14日(月)

17:30 – 19:30

第2回 1月20日(日)
第3回 1月27日(日)
第4回 2月3日(日)
第5回 2月11日(月)
第6回 2月17日(日)

どのような結果になるのか、注意深く見守っていきたいですね。

まとめ

白川村では「オーバーツーリズム」対策として、ライトアップイベントに「完全予約制度」という実質上の入場制限を設けました。「ライトアップイベントを見られる可能性が減って残念」と思われる方もいるかもしれませんが、白川村としては下記のような意識の下、今回の取り組みに臨んでいます。

『ご来場頂いた方に良い思い出を持ち帰っていただきたい!』
『自分たちの受け入れ対応できる規模感でやっていこう』
『当日の不確実性を排除し、ホスピタリティを取り戻そう』
根本的には、「来てもらうからには、楽しんでほしい」という思いがあることが分かります。
 
「オーバーツーリズム」への対応も、一つのインバウンド対策です。サービスの質を下げずに楽しんでもらうにはどうしたら良いか、訪日外国人が増えている今こそ考えておきたいですね。
 
参照:白川郷ライトアップは今年から完全予約制に!新体制でのライトアップイベント開催日程を発表
 
インバウンドらぼ 編集メンバー J.M