6月18日、大阪で最大震度6の大きな地震が発生しました。また、2016年には熊本や鳥取、2011年には東北地方を大きな地震が襲いました。

6月18日、大阪で最大震度6の大きな地震が発生しました。また、2016年には熊本や鳥取、2011年には東北地方を大きな地震が襲いました。

日本は地震と常に隣合わせです。年々増加する訪日外国人ですが、彼らが災害に見舞われるケースも増えてきています。

では、事前にはどういった対策がとれるのか。熊本地震発生時のデータを中心に考えてみたいと思います。

1番欲しかったのは「地震発生時のマニュアル」?

まずは、「地震発生時、訪日外国人に何が必要か」を考えてみたいと思います。

下記は2016年の熊本地震発生時に、株式会社サーベイリサーチセンターが訪日外国人観光客に対して行った調査の一部です。「地震の発生で困ったことは」という項目がありましたので、そちらを見てみましょう。

〇「地震の発生で困ったことは」

全体では「外国人向けの地震避難のマニュアルが無く行動が理解できなかった」が1位、熊本県・大分県への滞在者だけで見ると「すべての日程が狂い多額の負担が生じた」が1位でした。

その他は「わからなかった」「理解できなかった」という項目が多いですね。「知識・情報に対する多言語でのフォロー不足」と「金銭的な負担」の2つで困った方が多かったようですね。

〇「地震災害発生時の対応としてのニーズ」

続けて、「地震災害発生時の対応としてのニーズ」に対する回答を見てみたいと思います。実際に地震に遭遇した訪日外国人からはどのような要望が出たのでしょうか。

回答者全体で見ると「母国語のマニュアルを配布してほしい」が1位。熊本県や大分県の滞在者だけで見ると「避難誘導など分かる言語でしてほしい」が1位でした。

この2つをみると「そもそも地震発生時に何をしたら良いかわからない」という困りごとが見えてきますね。

また、「母国語などでの案内サインを設置してほしい」や「避難してどうすれば良いかの行動を示したパンフレット等が欲しい」「テレビ等でも英語等で表示してほしい」などWEB以外の案内や情報入手手段を求める方が多いこともわかりますね。

ちなみにWEBも決して不必要というわけではなく、同調査内「役立った情報源」の項で「母国のWEBサイト」と40%以上の人が回答しています。WEBは情報量が豊富ですから、探せば母国語の情報が見つかるかもしれません。

その一方、案内サインやパンフレットといった物はそういうわけにもいかないですよね。だからこそ、母国語に翻訳された物が欲しかったと回答したのだと考えられます。

また、WEBは「検索」をして自分で情報を見つけなければいけません。緊急時は、余計な手順を踏まずに自分の求める情報に辿り着きたいという考えがあるかもしれませんね。

コストをかけずにできる対策もある

「母国語のマニュアルを配布してほしい」という要望については、実はすぐに対応ができるかもしれません。というのも、地方公共団体などが、多言語版の防災マニュアルを無料配布していることがあるからです。

例えば、以下のように複数の多言語化済みマニュアルを簡単に見つけられました。

○無料の多言語化済み防災マニュアル

〇東京都
東京都生活文化局「防災リーフレット(PDF)」
対応言語:日本語、英語、中国語、韓国・朝鮮語

〇京都府
京都府国際センター「防災ガイドブック
対応言語:日本語、英語、中国語、韓国・朝鮮語、ポルトガル語、インドネシア語、フィリピン語、スペイン語、ベトナム語、タイ語

〇大阪府
大阪府「外国人のための防災ガイド(地震編)
対応言語:英語、中国語、韓国・朝鮮語、ベトナム語、フィリピン語、スペイン語、ポルトガル語、タイ語

その他にも様々な公共団体で、多言語化対応済みの防災マニュアルが無料で公開されています。こういったものを印刷し、緊急時に訪日外国人観光客へ渡せるよう準備しておくことも対策の一つと言えるのではないでしょうか。

また、お住まいの地域の防災マニュアルに外国語版が無い場合は、別の地域の多言語対応済みのマニュアルを用意した上で、地域固有の緊急連絡先一覧などを別途用意してあげると良いかもしれません。

緊急連絡先については、下記を参考にしてみてはいかがでしょうか?下記は、観光庁作成の「訪日外国人旅行者の安全確保のための手引き」内で紹介されている「災害時に外国人旅行者が求める情報」の表です。

○災害時に外国人旅行者が求める情報

引用元:観光庁「訪日外国人旅行者の安全確保のための手引き

宿泊先まで戻りたいという人もいれば、そのまま旅行を続けたいという人もいる。選ぶ行動内容によって求める情報も異なってくるというのは、割と見落としがちな点ではないでしょうか。

しかしながら、すべての情報を逐一確認して多言語化するのは難しいことです。なので、この表に掲載されているような「情報提供主体」に「訪日外国人」を繋げられるような準備をすることが最初の一歩としては現実的かもしれません。

例えば、近隣の自治体の外国人向け窓口を把握することなどできることから始めていきたいですね。

まとめ

今回調べた内容に基づけば「母国語のマニュアル」や「分かる言語での避難誘導」を訪日外国人観光客は求めていると言えそうです。

後者については、多言語応対できるスタッフの雇用や翻訳機の導入などコストをかけて解決する必要がありそうですが、前者は無料のマニュアルなどを活用すれば、最低限の対応はできそうに思いました。

地震に遭えば、我々でさえ混乱します。そんな状況ですから、言語だけでなく避難の仕方もわからない訪日外国人はもっと怖い体験をするに違いありません。

その時に適切な対応ができれば、信用は高まるのではないでしょうか。ピンチをチャンスに変えられるよう、インバウンド対策を日ごろから準備をしておきたいですね。

インバウンドらぼ 編集メンバー J.M