訪日外国人観光客を招き入れる、そして送り出す玄関口である空港・港。日本には4つの国際空港に加えて、国際線が就航している空港が多数あります。

地方へ足を運ぶ観光客も増えていると聞きますが、利用される空港にも変化が出ているのでしょうか。利用状況の現状を知ることと、過去との比較から、変わりつつあるインバウンドトレンドを追ってみたいと思います。

訪日外国人客が利用した空港・港ランキング2017

まずは、訪日外国人観光客が2017年に利用した空港・港を見てみましょう。先に、入国する際に利用した空港・港を見てみましょう。

訪日外国人観光客が入国の際に使用した空港・港(2017)

順位 空港名・港名使用率
1位成田国際空港29.2
2位関西国際空港27.7
3位東京国際空港(羽田空港)13.5
4位福岡空港7.8
5位那覇空港6.8
6位新千歳空港5.2
7位中部国際空港4.5
8位博多港0.8
9位その他0.7
10位函館空港0.5
11位富士山静岡空港0.5
12位関門(下関)港0.5
13位高松空港0.5
14位鹿児島空港0.4
15位広島空港0.4
16位厳原港0.4
17位小松空港0.3
18位仙台空港0.2
19位新潟空港0.2

参照: 観光庁「訪日外国人消費動向調査」よりインバウンドらぼが作成

1位は、成田国際空港。2位が関西国際空港。この2つの空港だけで50%超です。3位の羽田空港(新東京国際空港)も加えると、70%超。

4位以降は、福岡空港・那覇空港とアジアからアクセスの良い空港が続きますが、そこまで大きなシェアでもないように見えますね。続いて、出国の際に利用された空港も見てみましょう。

訪日外国人観光客が出国の際に使用した空港・港(2017)

順位空港・港名
1位成田国際空港29.7
2位関西国際空港28.3
3位東京国際空港(羽田空港)12.4
4位福岡空港7.7
5位那覇空港6.7
6位新千歳空港5.2
7位中部国際空港4.9
8位博多港0.8
9位富士山静岡空港0.7
10位函館空港0.5
11位鹿児島空港0.5
12位関門(下関)港0.5
13位厳原港0.5
14位高松空港0.4
15位広島空港0.4
16位小松空港0.3
17位仙台空港0.3
18位新潟空港0.2

参照: 観光庁「訪日外国人消費動向調査」よりインバウンドらぼが作成

1位「成田」、2位「関空」、3位「羽田」。順位は「その他」が無くなった他は変動がありませんでした。パーセンテージも特段大きな変化は見られません。2017年の現状だけを知るだけでは、今いちピンときませんね。

これが今までもそうだったのか、それとも変化の過程の最中なのか。2015年、2016年のデータとの比較で現状をより理解してみたいと思います。

成田1強じゃなくなったのは最近だった!

2015年・2016年の入国・出国空港との比較だけでも、見えてくる変化がありました。(2014年以前は集計方法が異なるので割愛します。)

訪日外国人観光客が入国の際に利用した空港・港(2015~2017)

 空港・港名2017年
(%)
2016年
(%)
2015年
(%)
新千歳空港5.25.25.0
函館空港0.50.40.5
仙台空港0.20.30.2
新潟空港0.20.20.2
東京国際空港(羽田空港)13.511.711.4
成田国際空港29.232.235.9
小松空港0.30.40.4
富士山静岡空港0.50.40.5
中部国際空港4.54.84.4
関西国際空港27.727.325.0
広島空港0.40.40.4
関門(下関)港0.50.50.5
高松空港0.50.20.2
福岡空港7.87.57.0
博多港0.81.11.2
厳原港0.40.30.4
鹿児島空港0.40.40.3
那覇空港6.86.05.5
その他0.70.81.1

参照: 観光庁「訪日外国人消費動向調査」よりインバウンドらぼが作成

訪日外国人観光客が出国の際に利用した空港・港
(2015~2017)

空港・港名2017
(%)
2016
(%)
2015
(%)
新千歳空港5.25.04.9
函館空港0.50.60.6
仙台空港0.30.30.2
新潟空港0.20.20.2
東京国際空港(羽田空港)12.410.210.2
成田国際空港29.733.137.7
小松空港0.30.40.4
富士山静岡空港0.71.20.9
中部国際空港4.94.84.2
関西国際空港28.327.725.0
広島空港0.40.40.4
関門(下関)港0.50.50.5
高松空港0.40.30.3
福岡空港7.77.66.9
博多港0.81.01.2
厳原港0.50.50.7
鹿児島空港0.50.40.4
那覇空港6.75.95.4

参照: 観光庁「訪日外国人消費動向調査」よりインバウンドらぼが作成

気付いたこととして、

①成田空港1強の構図から、関西国際空港との2強に変化したのは最近。

2015年の時点では3分の1以上のシェアで断トツ1位だった成田国際空港。2015年時点で2位の関西国際空港とは10%以上シェアの差があったのに、2017年にはその差が2%未満まで縮まっています。

羽田空港もシェアを伸ばしています。成田空港以外の国際空港を選択肢とする割合は確実に増えているようです。

②福岡空港・那覇空港の躍進。

地方空港にも変化が見られますね。福岡空港・那覇空港はシェア率を入出国それぞれ約1%も増加させています。

その一方で、シェアを減らしている空港・港もありますね。シェア率は全体で100%となるようにできているので、「シェアが減った」=「利用者が減った」というわけでもありません(6%以上シェアが減った成田ですら、毎年右肩上がりで利用者は増加しています)。

ただ、その中でシェアを増やしている空港は、訪日外国人観光客からの注目が高まっていると言えそうですね。

まとめ

 ランキングとしては予想通りの方も多いのではないでしょうか。ただ、思っていた以上に成田・関空が僅差で驚きました。2018年は成田と関空の順位がひっくり返る可能性も十分ありますね。

空港や港は、訪日外国人客が最初にワクワクする場所であり、出国前に触れる最後の日本でもあります。良いファーストインプレッションを持ってもらう事や、最後の一押しが空港や港でできるかもしれません。

今回のランキングをもとに、空港での広告出稿などを考えてみるのはいかがでしょうか。

インバウンドらぼ 編集メンバー J.M