グローバル化が進む昨今、インバウンドやアウトバウンドの対策で自社のコンテンツを多言語化する必要な企業様も多いのではないでしょうか。

たとえば、こんな問題はありませんか?

  • 自社のWEBサイトを翻訳したけど、問い合わせがない
  • 海外の展示会用に会社案内を翻訳して持って行ったけど、反応がいまいち

問題の原因は、どんなことだと思いますか?

一つ考えられるのは、「直訳で伝わる」という思い込みです。
ターゲットに正確に伝わっていない可能性があるのです。

実は翻訳にもさまざまな種類があり、目的に合わせた翻訳方法が必要なんです。この記事では、そうした翻訳方法をご紹介していきます。

直訳とトランスクリエーションの違い

翻訳の種類は、下記の3段階に分類することができます。

よくネットで「1文字○○円」とうたっているものはほとんど①にあたり、いわゆる「直訳」です。

①翻訳(直訳)

「翻訳」は元となる言語の内容・口調・表現方法に忠実に従いながら、その内容を文字通りに直訳するプロセスです。

対象言語の文化的背景にあわせて修正を加えることはほとんどありません。

技術・医療・法律系の文章は、「直訳」が適しています。

②ローカライズ

「ローカライズ」は対象地域(ローカル)の読み手にとって文化的に適切な文書に仕上げることです。

硬い直訳とは違い、対象言語の文化的背景を考慮に入れるため、ローカルの人が読みやすいように口調・表現方法を変えたりします。

翻訳(直訳)とトランスクリエーション(コピーライティング)の中間に位置します。

③トランスクリエーション(コピーライティング)

トランスクリエーションまたはコピーライティングは、ビジネスなどの目的に合わせて、最適な文章を作り出します。

直訳と違い、言葉の1対1の関係性よりも全体的なメッセージ伝達性を重視した意訳です。

◎狙っている市場に適した表現になりますので、より効果が期待できます。

トランスクリエーションとは?

トランスクリエーション」について、もう少し詳しくご紹介します。

「トランスクリエーション(transcreation)」は造語です。語源は、「translation=翻訳」と「creation=創造」という二つの言葉です。

だたの直訳ではなく、文化的背景に合うよう編集したり、共感を生むような文章を「ゼロ」から作り出すことを指します。

文化的背景を理解した上で他文化のコンテクスト(文脈)に再構成する作業ということで、「アダプテーション」とも呼ばれています。

トランスクリエーションにおすすめの案件

求める予算や納期によって、どの翻訳にするかも検討する必要があります。

下記のような目的の場合は、トランスクリエーションを検討しても良いでしょう。

《マーケティング目的として》

  • 広告、キャンペーン
  • ブランディング
  • WEBサイト
  • コーポレートコミュニケーション

《インバウンド対策として》

インバウンド対策(訪日外国人対策)で様々なものを多言語化する必要が出てきています。標識や案内図など情報を正確に伝えるものは翻訳で大丈夫なことがほとんどだと思います。

読み手の心に直接訴える必要があるので、ローカルの言語と環境にできるだけ合わせた文章にしたほうが効果的です。特に、商品やサービスの特徴を端的に表すキャッチコピーや見出しは、創造性が求められます。

トランスクリエーションの流れ

会社によって多少の違いはあると思いますが、カタログやWEBサイトをトランスクリエーションする場合の流れを説明します。

トランスクリエーションの流れ図

まず、原稿を翻訳しチェッカーにより翻訳抜けがないかなどをチェックします。

その後の段階でメッセージを伝えたい対象者にぴったりの表現になるよう編集したり、必要なトーン(論調)になるように文章の調節を行います。

その作業はネイティブ(現地出身)の翻訳者(コピーライター)が行います。

そうしてできあがった文章を、カタログやWEBサイトのデザインに落とし込みます。最後にデザイン上でもネイティブによるチェックを行い、文章の改行位置や文字の間隔など違和感がないようにします。

翻訳で注意したいこと

それは、目的を含めてヒアリングしてくれるか?ということです。

きちんとした翻訳会社(制作会社)であれば、ヒアリングの上で提案までしてくれるでしょう。

しかし、事前の打ち合わせもなく、機械的に翻訳(直訳)する会社に頼むと手軽でスピーディーですが、期待した結果が得られない可能性があります。

こだわりの製品やサービスを外国人旅行者の「心」に届けたい場合は、より創造性のある表現が必要になるでしょう。

まとめ

ただの翻訳(直訳)だと、ネイティブ(現地の人)が見ると違和感があるどころか意味が正しく伝わらないこともあります。

また、日本はガラパゴスとよくたとえられますが、日本語と多言語の変換では文化的な違いが障害になることが多々あります。

例えば、会社案内を多言語化する際の注意点が3つあります。

  • 情報を詰め込みすぎない
  • 会社紹介は最低限に
  • 製品やサービスは端的な言葉で特徴を表現する

どうしても日本人はくどくど長く説明しすぎる傾向があります。

会社案内やカタログをそのまま全部翻訳するのではなく、自社の強みを1ページにまとめた「One-pager」をつくることから始めてみてはいかがでしょうか。

政府より中小企業のWEBサイトの半数を多言語対応にするという指標が出ている通り、グローバル化に伴い、今後ますます多言語対応の必要性に迫られる企業が増えてくるでしょう。

Google翻訳など機械翻訳も進化していますが、ただ翻訳すればよいということではなく、どうすれば文化や価値観が違う人たちに共感してもらえるのか、まずはそこから考える必要があると思います。

インバウンドらぼ 編集メンバー Y.N