以前の記事にてご紹介した「handy」。世界各地で展開されているホテル設置型のスマートフォンレンタルサービス事業です。実は、2018年7月2日に大きな発表がありました。「ソフトバンク株式会社」と、日本での「handy」事業を統括する「handy Japan Holdings Company Limited」ならびにその子会社「handy japan株式会社」の資本・業務提携が決まったのです。

そもそも「handy」とは?

今回の提携についての展望を知る前に、まずは「handy」の概要についておさらいしましょう。

「handy」はホテルなどの宿泊客に「無料」でスマートフォンを貸し出すサービスです。利用金額の負担は宿泊事業者側が行います。多言語に対応しているほか、以下の機能があります。

・独自ネットワークによる無制限の国際通話とデータ通信の提供
・旅行者にホテルや周辺施設をPRするコンテンツとサービス機能
・キーレスエントリーなど室内機器のコントローラーにもなる室内オートメーション機能

利用者はホテルなどの宿泊客になりますが、施設外への持ち出しも可能。街中でも使用できます。

2018年7月時点では、既に国内24万室に導入済。東京だと宿泊施設の6割、大阪では4割に導入されているというから驚きです。もし仮に24万室が365日フル稼働だとすれば、8,760万泊に相当。プロモーションメディアとしても大きな存在感があると言えそうです。

サービス内容はどう変わっていくか

無料スマホ&プロモーションメディアである「handy」。今回の提携では、さらに便利なサービスへと成長することが感じられます。提携の発表内にあった「注力3領域」という項目を見て、どのような方向を目指しているのか確認しましょう。

Hotel IoT ホテルや旅館をはじめとした宿泊施設向けに IoT ソリューションサービスを提供
例) handyレンタル、スマートロック、ルームコントロール、無人チェックアウト 等
Travel Agent 旅行者向けにレストランやアクティビティ、旅行商品やエンターテインメントを提供
例) テーマパークチケット、交通・宿泊商品 等
Media 広告主・事業者向けにプロモーション機会を提供
例) handy上のデジタル広告、VR/VoD コンテンツ、データビジネス 等

引用元: スマートフォンレンタルサービス「handy」、日本事業の成長に向け ソフトバンクへの第三者割当増資を実施し、同時に資本・業務提携契約を締結

「Hotel IoT」の領域では、宿泊施設における「handy」活用の幅を広げる取組が示されています。「スマートロック」や「無人チェックアウト」は、宿泊事業者側にも人的コストの削減などのメリットがありそうですね。「handy」を中心とした、新しい宿泊スタイルが誕生していくかもしれませんね。

2つ目の「Travel Agent」の領域では、旅行者に向けて観光商品などの提供を目指していることがわかります。また、上記の表にはありませんが、配車・宅配サービスとの連携のほか、決済サービスも拡充するとのこと。旅行者たちと、施設・アクティビティ・コンテンツなどを結ぶ「仲介役」のような立ち位置を、この項目では目指していくようです。

「Media」の領域では、旅行者に向けたプロモーション機会の提供ならびにデータ収集ツールとしての展望が示されています。特に気になったのは、VRを活用したプロモーション。「handy」の場合は利用者自身がVRを見るための装置を用意する必要がないので、より気軽にVR体験ができそうです。

また、「handy」によるテザリングも今後解禁予定のようです。ただ、テザリング導入の場合は現状(\980/月)の約3倍の利用料になるため、導入の可否は各宿泊事業者が判断するとのこと。テザリングができれば、日本国内で自分のスマートフォンを気兼ねなく使用できるため、導入した施設は注目を浴びそうな予感がします。

参考:handy「スマートフォンレンタルサービス「handy」、日本事業の成長に向け ソフトバンクへの第三者割当増資を実施し、同時に資本・業務提携契約を締結」、ソフトバンク「handy Japanとの資本・業務提携契約の締結について

まとめ

無料スマートフォン・広告メディアとしてだけではなく、人材不足補助ツール・観光商品の仲介役など、「handy」がさらに多くの側面を担っていく事が期待できる発表でした。また、宿泊者・宿泊事業者、広告主など、他方向にメリットを生み出すビジネススタイルがとても華麗だと感じました。

今後は、ホテル「マイステイズ」(運営:株式会社マイステイズ・ホテル・マネジメントホテル)において、宿泊客&宿泊事業者双方のニーズを探るとともに、サービスを導入した効果の検証も行っていくそうです。現在でも十分魅力的に見えますが、ますますサービスに磨きがかかっていきそうですね。

訪日旅行の可能性を広げていく「handy」の今後に期待です!

インバウンドらぼ 編集メンバー J.M