みなさん、こんにちは。今回の記事は“これからの”「インバウンドとは」を考える機会にできればと思います。これからの課題やトレンドをピックアップして、まとめました。早速ですが、まずは“これまでの”「インバウンドとは」についてのおさらいから始めようと思います。

簡単に現在のインバウンドをおさらいすると、下記のようになります。

・年間市場は約4兆円。
・訪日外国人数は年間約2,900万人。そのうち、アジア圏が約2,500万人。8割以上がアジア人。
・日本政府は、2020年までに年間訪日外国人数を4,000万人にしたい。
・定番の観光ルート「ゴールデンルート」に含まれる、東京や大阪・京都などに訪日客が集中。
・リピーターが訪日外国人総数の約60%を占める。

これらを踏まえて、これからのインバウンドトレンドを探ってみます。

アジアだけでなく、欧米豪へ。訪日外国人多様化の時代

中国や韓国をはじめとしたアジア圏からの訪日外国人が、全体の約85%以上を占めている状況ですが、「2020年までに訪日外国人4,000万人達成」という政府の目標に向けて、まだ開拓の余地がある欧米豪市場へ向けたプロモーションがスタートしました。

それが、日本政府観光局(JNTO)によって始動した「Enjoy My Japan」です。このプロモーションは、欧米豪諸国を対象に、「日本が、誰もが楽しむことが出来る旅行目的地」であることを強調し、日本を海外旅行の選択肢に入れてもらおうというものです。

日本への旅行者数の割合でみると、中国や韓国の存在感が大きいですが、実は欧米豪は国際観光支出がとても多いのです。このプロモーションによる誘致が成功すれば、欧米豪諸国からの訪日外国人が多くなり、インバウンド市場での存在感を大きくしていくでしょう。よって、中国語や韓国語だけに対応できていればよい、という事ではなくなりそうですね。

また、このプロモーションの特筆すべき点は「日本が、誰もが楽しむことが出来る旅行目的地」をアピールしている事です。旅行者それぞれの趣味趣向に対応した環境資源があるという自信の表れでもありますが、今までのステレオタイプな「日本らしさ」をアピールしていた戦略とは大きく異なりますね。これは後で説明する「リピーター層」の増加にも関わることですが、訪日外国人一人一人によりスポットを当てる流れになっていく可能性があるという事です。

多様化がより進んでいく中で、どのようにターゲットと向き合うか、改めて見つめ直したいですね。

いよいよ地方部も本格的な対策が必要か。
リピーター層の増加に伴う“飽き”への対応

訪日外国人数の急増に合わせて、リピーター客も増えています。日本政府観光局(JNTO)発表の「訪日外国人消費動向調査」によれば、2017年は60%以上がリピーター客だったという結果が出ています
>関連記事:リピーターって本当に多いの? 2017年 訪日外国人消費動向から探る、リピーター率

「最初は目新しかったけど、何度も同じことをするうちに飽きた」という経験、皆さんにもあるのではないでしょうか。外国人にとっての訪日旅行も同様だと思います。実際、「ゴールデンルート」内の観光地ではなく、地方部を旅行先に選ぶ訪日外国人は増えています。

地方部でしか味わえない体験への注目が高まるとともに、都会部では飽きさせない工夫が求められる段階になってきたのかもしれません。受け入れる体制や環境だけを整えるのではなく、新しい商品やサービスを随時加えるなど、飽きられない工夫が必要になってきそうですね。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックがゴールではない

インバウンドの一つのゴールとして、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを想起される方も多いのではないでしょうか。実際、政府も開催年である「2020年までに年間の訪日外国人数4,000万人到達」を目標として掲げています。ですが、その先の目標も掲げているのはご存知でしょうか。

実は、「2030年までに訪日外国人6,000万人到達」という目標も政府は掲げています。東京オリンピック・パラリンピックが盛り上がりの頂上とならないよう、2020年以降も訪日外国人数を増やす取り組みが政府主導で行われていくと思われます。

また、東京オリンピック・パラリンピック前後にも、日本で開催される大きなイベントが実はいくつもあります。

▼2019年
・ラグビーワールドカップ2019
>関連記事:訪日外国人客を誘引できるイベントはオリンピックだけじゃない!2019ラグビーワールドカップについて

▼2020 年
・第32回オリンピック競技大会(2020/東京)
・東京2020パラリンピック競技大会
>関連記事:オリンピックってどうなってる?「東京2020大会ガイドブック」で確認

▼2021年
・ワールドマスターズゲームズ2021 関西
>関連記事:国内参加者数20,000人目標!?2021年の国際イベント「ワールドマスターズゲームズ」

・2021年水泳世界選手権大会

また、現状は候補地の一つとなっているだけですが、2025年に大阪で「国際博覧会(万博)」が開催できるよう、政府や大阪府が積極的にアピールを行っています。

2020年にインバウンドが盛り上がるのはほぼ間違いないと思いますが、オリンピック・パラリンピック前後にも、大型イベントの開催を控えています。

大きなビジネスチャンスを逃さないよう、しっかりと準備をしていきたいですね。

最後に

いかがでしたでしょうか?近年の動向をもとに、2018年以降のインバウンドのトレンドについて考えてみました。インバウンド市場が活性化してから数年経ちますが、この流れを一時的なものにしないためにも、次のトレンドを掴んで、しっかりと対策していきましょう。現在の「インバウンドとは」を考えながら、この先のトレンドや傾向を先読みしていきたいですね

インバウンドらぼ 編集メンバー J.M