みなさん、こんにちは。いきなりですが、日本政府観光局(JNTO)の新会長に清野 智氏が就任したことはご存知でしょうか。清野氏は、東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本)の社長を経て、2012年から2018年の3月までJR東日本の会長を務められていました。そんな清野氏が率いてきたJR東日本ですが、実は多くのインバウンド対策を行っています。

困りごとの解決から、潜在ニーズの発掘まで。
JR東日本の幅広いインバウンド対策。

近年の取り組みを中心に、気になったのものを紹介します。

〇施設・設備

・JR EAST Travel Service Center (2012年10月~)

訪日外国人観光客をターゲットとした窓口。JR東日本の旅行商品の購入や引き換えができるほか、JR乗車券の購入などが行えます。また、観光案内も受けることができます。対応言語は英語。2012年10月オープ開店の東京店をはじめ、今年2月に営業を開始した上野駅構内の店舗など、合計9店舗が国内で営業中です。
>外部サイト:JR EAST Travel Service Center (Tokyo Station) | Customer Support | JR-EAST(英語)

・祈祷室 (2017年6月設置)

東南アジアの人々など、ムスリム(イスラム教徒)の訪日外国人観光客増加を背景に、2017年6月に開設。2名程度が静かに過ごせるスペースで、身体を清めるための「小浄設備」も備えています。使用料は無料。
>外部サイト:JR 東⽇本グループのインバウンド戦略の推進について

・JAPAN RAIL CAFE (2016年11月~)

2016年11月にシンガポールでオープンした海外拠点。名前の通りカフェとして、日本を感じることのできる軽食やドリンク・買い物を楽しめます。Wi-Fiが無料で利用できるほか、株式会社ジェイティービーと提携した旅行カウンターが店内に設けられており、観光相談のほか、訪日外国人向けの鉄道パス類などを購入することもできます。イベント実施もあり、JR東日本グループによるプロモーションが実施されています。今年の3月には、台湾にも設立されることが発表されました。
>外部サイト:シンガポールにインバウンドの拠点「JAPAN RAIL CAFE」をオープン

・JR-EAST FREE Wi-Fi (2012年10月~)

90以上の駅で使用可能な、無料公衆無線LANサービスです。先述の「JR EAST Travel Service Center」内などにアクセスポイントが設置されています。メ―ルアドレスを登録するだけで使用可能。東北・秋田・北陸の新幹線車内でも2018年5月から、使用できるようになります。また、山形新幹線、特急「スーパーあずさ」も2019年中には使用ができるようになる予定です。訪日外国人に限らず、日本人も使用できます。
>外部サイト:JR-EAST FREE Wi-Fi

〇訪日外国人観光客向け商品の拡充

・JR Tohoku-South Hokkaido Rail Pass(2018年2月~)

2018年2月から発売中の、JR北海道との共同商品。購入可能条件は、日本以外の国のパスポートを持っていること。フリーエリア内の JR北海道線、JR東日本線(BRT※含む)、青い森鉄道全線、IGRいわて銀河鉄道線全線及び仙台空港鉄道線全線の特急(新幹線含む)・急行列車・普通列車 の普通車指定席に乗り降り自由なチケット。

発行日から14日以内、任意の5日間使用可能です。大人20,000円/小児(6歳~11歳)10,000円 ※ 海外で事前に購入すると割引あり。使用可能な鉄道・日数が増えた「JR East-South Hokkaido Rail Pass」もあります。
>外部サイト:JR Rail Pass for East Japan and Hokkaido

※BRT(Bus Rapid Transit)
連節バス、PTPS(公共車両優先システム)、バス専用道、バスレーン等を組み合わせ、速達性・定時性の確保や輸送能力の増大が可能となる高次の機能を備えたバスシステム。

・ HAKODATE BUFFET(2017年7月~)/TOHOKU BUFFET(2016年8月~)

北海道旅客鉄道(JR北海道)と連携した、観光商品です。夜景や桜が美しい観光地を巡るバスツアーをはじめ、「農業体験」や「イカ飯づくり」など多数のコースがあります。
>外部サイト:訪日外国人旅行者向け、着地型商品「HAKODATE BUFFET(函館ブッフェ)」を発売します
>外部サイト:訪⽇外国⼈向けに冬の東北の魅⼒を訴求するため「TOHOKU BUFFET(東北ブッフェ)」冬の販売促進キャンペーンを実施します!

〇他社との協力

・訪⽇外国⼈旅⾏者移動実態調査(2017年4月20日発表)

JR東日本と株式会社エヌ・ティ・ティ・データ(NTTデータ)が共同で行った調査。2016年のデータを基に、訪日外国人観光客の移動実態を調査しています。
>外部サイト:訪⽇外国⼈旅⾏者移動実態調査について 

・杏林大学とJR東日本八王子支社の協働事業 (2016年9月30日~2017年3月31日)

多摩エリアの活性化を狙った取り組みです。エリアに住む外国人を対象としたアンケートを行い、回答結果を反映させた上で日本国内の観光情報を発信。また、杏林大学に在籍する外国人留学生を対象にモニターツアー等を企画・実施し、外国人が困るポイントを把握してサービス改善に取り入れる試みです。
>外部サイト:杏林大学とJR東日本八王子支社は訪日外国人の多摩エリアへの誘客に向けて協働で取り組みます

あくまで取り組みの一部ですが、紹介させていただきました。

まとめ

観光案内所をはじめ、無料Wi-Fiスポットや祈祷室など「困りごとの解決」や、より深く地方部での観光を楽しめるツアーなど、多数の側面からインバウンド対策を実施しているJR東日本。困りごとの解決と、潜在ニーズの発掘という両側面でのインバウンド対策が重要だと実感しました。

官民問わず数多くのインバウンド対策が実行されているからこそ、新たな困りごとや関心を見つけることに次のビジネスチャンスがあるのではないでしょうか。改めて、訪日外国人観光客目線でインバウンドを考えたいと思いました。

インバウンドらぼ 編集メンバー J.M