「FUJIYAMA」「ド・ドドンパ」など数多くの絶叫マシーンで人気の富士急ハイランドを運営する富士急行は、2018年7月中旬から「富士急ハイランド」の入園料を無料化すると発表しました。この無料化にはどのような狙いがあるのでしょうか?

インバウンドでも人気の観光地「富士山、富士五湖周辺」の回遊アップが狙い

富士急ハイランドは絶叫マシーンなどを目的に、国内外から多数の来客を集める人気施設です。
年間利用者数は周辺のホテルなどを含め約230万人で、富士急行によると「毎年、微増の傾向にある」とのこと。
しかし現時点では入園料が壁となって、気軽にお土産を購入したり、アトラクションを楽しむことが出来ていないと考えており、約2年ほど前から入園料の無料化を検討してきたようです。

今回の無料化により、富士急ハイランドの入園客増は勿論ですが、富士山、富士五湖周辺の回遊アップも大きな狙いとなっています。観光客が「富士急ハイランドでアトラクションを楽しんだ後は、周辺の観光を楽しもう」「富士山に行った後、富士急ハイランドでお土産を買おう」という考えになることを期待しているのです。

富士急ハイランドを「富士山観光のハブ」に

今後、富士急行ではアトラクションは勿論のこと、もっと幅広い楽しみかたを提供出来るよう、人気コンテンツとのコラボイベントの実施、季節催事の充実、グローバルチェーンや地元名産店の誘致などを積極的に推進するとしています。
「富士急ハイランドを起点に、富士五湖や富士山五合目へ出かけてまた戻ってくるような、まさに“富士山観光のハブ(拠点)”となること」を目指しているとのこと。

また、インバウンドにおいても富士山周辺は人気の観光エリアであることから、入園料無料化により更に多くの観光客が訪れることが予想されます。山梨県が主要施設を対象にまとめた2017年の「観光入込客統計調査」でも、「富士・東部エリア」の来訪者は約1508万人(前年比1.4%増)。近年は訪日外国人の増加で、5年前の約1.5倍の水準となっています。富士急ハイランド近くの富士急行線河口湖駅では、利用者の約半数が外国人という月もあるといいます。

既に行われているインバウンド対策

このような状況を踏まえ、富士急行では既にたくさんのインバウンド対策を行なっています。その中から一部紹介します。

1. 2017年7月 訪日外国人向け「富士山フリーパス(Mt.FujiPass)」の販売開始

山梨・静岡の富士山エリアで運行する路線バスや富士急行線の交通機関を何度でも利用できます。加えて、「富士急ハイランド」や河口湖遊覧船「アンソレイユ号」などの観光施設の入場券もセットになっています。
1日券~3日券の3プランが準備されていて、日帰り観光客から宿泊の観光客まで様々なニーズに対応可能です。

2. 2017年12月 訪日外国人向け「富士急ハイランドデジタル前売券」の販売開始

チケットは、旅行サイト「TripAdvisor(トリップアドバイザー)」の子会社で、全世界約2,600都市のオンライン旅行商品を取り扱う「Viator(ビアター)」を通じて購入出来ます。
通常のフリーパス以外に、Viator限定発売(外国人旅行者限定)となる、正午以降に利用できる「Afternoon Pass(アフタヌーンパス)」や食事券がセットになった「Afternoon Pass and Meal Coupon(アフタヌーンパス+ミールクーポン)」も販売しています。

3. 2018年4月 「WeChatPay」の導入

世界でユーザー数が10億人を超えたと言われる中国コミュニケーションアプリ「WeChat」。
アプリ内でチケット購入ができる「WeChatオンラインチケット」を日本で初めて導入した他、園内の飲食店、売店、富士急グループが運営する遊覧船、タクシー、バスなど全29施設でも利用できます。

まとめ

富士急ハイランドを「富士山観光のハブ」とする考え方は、斬新ではないでしょうか。
今後どのように富士山、富士五湖エリアが盛り上がっていくか、どのようなインバウンド対策が行われるのか、動向に注目です。

インバウンドらぼ 編集メンバー A.F