★本記事の前にコチラの記事をお読みいただくと、より理解が深まります。

「インバウンド」について、より知識を得ようとするには、観光庁や日本政府観光局(JNTO)発表の統計データを分析することがおすすめです。数値から現状を知ることができるだけでなく、動向やトレンドを先読みする手掛かりにもなります。

特に、平均値や総数・ランキングは、大きな流れや市場の特徴を知ることができ、「インバウンド」を一から学ぶ上でとても役に立ちます。今回は2017年のデータを基に、「インバウンドとは」何なのか、理解を深めたいと思います。

「インバウンド」の「人」にまつわるデータ・ランキング

まずは、訪日外国人がどれだけいるのか、いつ来ているのか、どこに来ているのか、どのくらい滞在するか、など「人」にまつわるデータを見て行こうと思います。

年間の訪日外国人総数は?
→ 約2,900万人 

2017年は、約2,900万人(28,691,073人 引用元:観光庁)の外国人が訪日旅行をしました。2016年は約2,400万人だったので、500万人程度、日本を訪れてくれた人が増えました。前年度比で約19%の伸び率です。2020年までに訪日外国人数を4000万人にするというのが、政府の目標です。

訪日外国人が一番多い月は? → 7月 
/ 一番少ない月は? → 2月

月別訪日外国人総数(2017)
総数(人) 順位
1月 2,295,668 8位
2月 2,035,771 12位
3月 2,205,664 11位
4月 2,578,970 3位
5月 2,294,717 9位
6月 2,346,442 7位
7月 2,681,518 1位
8月 2,477,428 5位
9月 2,280,406 10位
10月 2,595,148 2位
11月 2,378,079 6位
12月 2,521,262 4位
累計 28,691,073  
平均 2,390,923

参照: 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数」よりインバウンドらぼが作成

1ヶ月あたり平均約240万人の訪日外国人がいたことがわかります(名古屋の人口が約230万人なので、それよりも少し多いくらいです)。
また、1番訪日外国人が多いのは7月、1番少ないのは2月という結果でした。

月によってのバラつきはこう見るとあまりない印象ですが、1月~3月は若干少なめの印象です。では、これだけの人がどこの国や地域から来ているのでしょうか。

訪日旅行に来るのはどの国・地域の人?
→ 1位中国 約740万人 2位韓国 約710万人 

訪日旅行客の多かった国・地域(2017)
順位 国名 総数(人)
1位 中国 7,355,818
2位 韓国 7,140,165
3位 台湾 4,564,053
4位 香港 2,231,568
5位 アメリカ 1,374,964
6位 タイ 987,211
7位 オーストラリア 495,054
8位 マレーシア 439,548
9位 フィリピン 424,121
10位 シンガポール 404,132

参照: 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数」よりインバウンドらぼが作成

みなさんも実感されていると思いますが、1位に中国、2位に韓国の訪日外国人が多いことがわかります。ただ、人数を見ると驚きで、実はこの2か国だけで訪日外国人全体の約半数を占めています。また、3位に台湾、4位に香港と続くほか、5位のアメリカと7位のオーストラリア以外は全てアジア圏の国・地域ということもわかります。

ちなみに2017年は、アジア圏だけで、約2,500万人の訪日外国人がいました。
全体では約2,900万人でしたので、80%以上がアジア圏の人々だったという事です。

続けて、訪日外国人たちがどの都道府県を訪れているかを見てみます。

訪日外国人が最も多く訪れた都道府県は? 
→ 1位 東京都、47位 島根県

訪日外国人が今回の旅行で「訪問した」と回答した都道府県(2017) ※複数回答可
順位 都道府県名 訪問率(%) 順位 都道府県名 訪問率(%) 順位 都道府県名 訪問率(%)
1位 東京都 46.2 17位 岐阜県 2.5 33位 滋賀県 0.6
2位 大阪府 38.7 18位 熊本県 2.1 34位 三重県 0.6
3位 千葉県 36.0 19位 長崎県 2.0 35位 青森県 0.6
4位 京都府 25.9 20位 石川県 1.9 36位 群馬県 0.5
5位 福岡県 9.8 21位 栃木県 1.4 37位 愛媛県 0.4
6位 愛知県 8.9 22位 和歌山県 1.2 38位 宮崎県 0.4
7位 神奈川県 8.5 23位 富山県 1.0 39位 山形県 0.4
8位 北海道 7.7 24位 埼玉県 1.0 40位 秋田県 0.3
9位 沖縄県 7.3 25位 鹿児島県 1.0 41位 徳島県 0.3
10位 奈良県 7.3 26位 香川県 0.9 42位 福島県 0.3
11位 兵庫県 5.5 27位 宮城県 0.8 43位 岩手県 0.2
12位 山梨県 5.4 28位 山口県 0.8 44位 鳥取県 0.2
13位 静岡県 4.7 29位 新潟県 0.8 45位 高知県 0.2
14位 大分県 4.2 30位 岡山県 0.7 46位 福井県 0.2
15位 広島県 3.0 31位 佐賀県 0.7 47位 島根県 0.1
16位 長野県 2.8 32位 茨城県 0.6      

参照: 観光庁「訪日外国人消費動向調査」よりインバウンドらぼが作成

訪日外国人が最も多く訪れたのは、東京都でした。反対に1番来訪が少なかったのは島根県でした。東京や大阪、京都などは「ゴールデンルート※」に含まれており、安定的に訪日外国人の来訪が多いことがわかります。

※ゴールデンルート

日本の定番観光地を効率よく巡る、広域周遊ルート。東京、箱根(神奈川)、富士山(静岡・山梨)、名古屋(愛知)、京都、大阪などを巡る。

それ以外だと、沖縄や北海道も人気が高いことが良くわかりますね。定番観光地と、そうでない地域には大きな差があることを実感できます

年々訪日外国人が増加するにしたがって、リピーターも増加しています。定番観光地以外の地方部への誘致がどのように進んでいくのか、その変化も追っていきたいですね。

訪日外国人客は何日間泊まる? 
→ 平均9.1泊

数値の出典: 観光庁「訪日外国人消費動向調査」

訪日外国人観光客の平均泊数は9.1泊でした。

滞在期間が長い国は? 
→ 1位 ベトナム 、2位 インド、3位 フィリピン

宿泊日数が長い国・地域(2017)
順位 国名 平均宿泊日数(泊)
第1位 ベトナム 35.2
第2位 インド 23.1
第3位 フィリピン 19.7
第4位 ロシア 19.4
第5位 フランス 15.7
第6位 ドイツ 15.5
第7位 アメリカ 13.8
第8位 カナダ 13.8
第9位 スペイン 13.4
第10位 オーストラリア 13.2
全体平均 9.1

参照: 観光庁「訪日外国人消費動向調査」よりインバウンドらぼが作成

第1位はベトナムでした。第2位のインド、第3位のフィリピンも含めて、来訪目的を「留学」や「研修」とする、長期間滞在者の割合が多いことから、平均泊数が増えたようです。「観光・レジャー」目的に絞ると、ランキングの様相も変わります。

観光・レジャー目的」での滞在期間が長い国は?  
→ 1位 ドイツ、2位 フランス、3位 スペイン

宿泊日数が長い国・地域<観光・レジャー目的>(2017)
順位 国名 平均宿泊日数(泊)
第1位 ドイツ 14.1
第2位 フランス 13.8
第3位 スペイン 13.0
第4位 オーストラリア 12.8
第5位 イギリス 12.7
第6位 カナダ 12.4
第7位 イタリア 11.9
第8位 ロシア 10.3
第9位 アメリカ 10.0
第10位 インド 9.8
全体平均 5.8

参照: 観光庁「訪日外国人消費動向調査」よりインバウンドらぼが作成

「観光・レジャー」目的に絞ると、全体平均は「5.8泊」でした。ランキングを見ると、欧米の国々が多いことが良くわかります。反対にアジア圏は、観光・レジャー目的の場合、韓国は平均「3.2泊」、中国は平均「6.1泊」、ベトナムは「8.0泊」と、欧米圏に比べると滞在日数が少ないことが良くわかります。

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