ニュースなどで「インバウンド」と耳にする機会が大分増えましたね。
もともと「インバウンド」とは、英語の「inbound」が由来となった言葉です。
その「inbound」はというと、下記のような経由で生まれた言葉だそうです。

「inbound」は「in」と「bound」という単語の組み合わせで成り立っています。 「bound」とは、飛行機や電車などの交通機関の「〜行きの」という意味になります。 それが、「内へ」という意味の接頭語「in」に付随して「本国行きの」という意味になりました。
引用元: 英語部

ただ、いわゆる観光分野で使用されている「インバウンド」は、上記の意味そのままではありません。今回は「インバウンド」が「観光分野ではどのような意味を指しているか」「なぜここまで耳にする機会が増えたのか」を勉強して、より「インバウンド」への理解を深めたいと思います。

観光分野における「インバウンド」の意味 
→ 「外国人の訪日旅行」もしくは「訪日外国人そのもの」

「インバウンド」という言葉自体は、マーケティングやITの分野などでも使用されていますが、観光分野で使われる場合には「外国人の訪日旅行」「訪日外国人」そのものを指します。

日本政府観光局では下記の様に使用されています。

インバウンド・ツーリズム(外国人の訪日旅行)
引用元:日本政府観光局(JNTO)

JTBグループの「JTB総合研究所」サイト内用語集では下記の様に使用されています。

インバウンド(Inbound)とは、外国人が訪れてくる旅行のこと。
日本へのインバウンドを訪日外国人旅行または訪日旅行という。
引用元: インバウンド(訪日外国人旅行 / 訪日旅行)とは・観光用語集 – JTB総合研究所

若干使われ方に差異がありますが、「外国人が日本を訪れる旅行」という事には違いありません。ただ、旅行と言っても観光目的だけでなく、「MICE」と呼ばれるビジネス目的の旅行も含んでいます。

MICEとは、企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(インセンティブ旅行)(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字のことであり、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称です。
引用元: 観光庁

では、なぜ外国人が日本を訪れる旅行が話題なのでしょうか?その理由は、インバウンド需要の急増にありそうです。

「インバウンド」が話題の理由は? 
→ インバウンド需要が急速に高まっています

肌で感じられている方も多いと思いますが、町や電車で、スーツケースを引く外国の方を見かける機会が本当に増えましたね。それだけ訪日外国人が多くなっているわけですから、インバウンドの需要が急速に高まっていることもお分かりいただけると思います

実際どれだけ訪日外国人が増えたのかは、下記のグラフを見ていただくとよくわかると思います。これは2003年から2017年の訪日外国人観光客数の推移をグラフにしたものです。

訪日外国人客総数の推移グラフ参照: 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(年表)」よりインバウンドらぼが作成

訪日外国人客数は2003年時点では約500万人でしたが、2017年にはその6倍近くの約2,900万人となりました。(ちなみに東京オリンピックが開催された1964年は、約35万人。時代の変化を感じますね。)

もちろん、勝手にどんどん訪日外国人客が増えたわけではありません。制度整備やインフラ整備、サービス拡充が進んだ結果として、現在の状況があるということを理解する必要があります。

このグラフの開始年である2003年に、当時の首相・小泉純一郎氏が「2010年までに訪日外国人数を1,000万人に増加させる」という主旨の宣言をしました。同年には訪日外国人観光客誘致を促進する「ビジット・ジャパン・キャンペーン」がスタート。また、2006年には「観光立国推進基本法」が成立し、「観光」を日本の財源の一つとして行く方針が明確になり、2008年には「観光庁」が設立されました。

そうした政府の動きもあり、受け入れのためのインフラ整備や各国とのオープンスカイ※の締結、入国ビザの緩和など、日本に入国しやすい環境整備が進んでいきました。また、民間ではインバウンド向けの商品拡充や、多言語対応などが行われています。その成果が大きく表れたのが2012年以降の急増期です。円安やアジア圏の経済成長も追い風となり、急激に訪日外国人数が増加しました。

※オープンスカイ
航空会社の路線や便数、運賃の価など航空協定を事実上撤廃すること。

2013年には(3年遅れたものの)当初の目標であった「年間訪日外国人数1,000万人」を突破。2020年の東京オリンピック開催が決定したのもこの年ですね。その後、2015年には「2020年に、訪日外国人数4,000万人を達成する」という目標が政府より発表されました。

インバウンドに対する需要がここ数年で急増しているだけでなく、インバウンドを受け入れる環境やサービスの整備拡充が進んでいて、外国人が日本を訪れやすくなっていることにも注目したいですね。

まとめ

今回のキーポイントは下記の2つです。

・「インバウンド」とは、「外国人が訪日旅行すること」もしくは「訪日外国人」そのもの
・官民のインバウンド受入環境整備を背景に、ここ数年でインバウンド需要が急激に高まっていること

環境やサービスの整備が進み、外国人がより日本に来やすく、そして情報に触れやすくなっています。つまり、インバウンド対策をすれば、顧客層を世界に広げられる可能性があるということですよね。チャンスを逃さないように、インバウンドへの関心を引き続き持って、トレンドを掴んでいきたいと思います。

インバウンドらぼ編集メンバー J.M