海外にいる外国人に向けたインバウンド対策として、動画プロモーションをご検討の方も多いのではないでしょうか?成功している事例を探っていく中で、再生回数1,000万回を超える2つの動画に出会いました。それらを考察していきながら、動画プロモーションのヒントを探ってみましょう。

「東京盆踊り2020」
ユニークすぎる楽曲 + 豊富な言語対応

公開日:2017年11月19日
再生回数:約1,940万回 コメント数:約18,800件 ※2018年4月4日現在

ミュージックビデオという位置付けなので、特定の自治体や企業をプロモーションしている内容ではないですが、日本のプロモーションとして大きく機能している1本です。

製作は、日本国内でインフルエンサーマーケティングを行う「株式会社 Cool Japan TV」が総合プロデュースを行い、中華圏での人気が高いCポップアーティストNamewee氏が作詞・作曲・MV主演を兼ねています。

昨年11月にYouTubeにアップロードされたにもかかわらず、再生回数は1,900万回を突破。「盆踊り」という言葉からは想像できないほど、ポップな曲調にまず驚きませんか?また、気になってしまうのは歌詞の内容。外国人観光客が旅行中に「Japanglish(和製英語)」に困り果てるというもので、訪日経験のある外国人視聴者からは「あるある」という共感を呼んでいるほか、和製英語のチャーミングさが好評を得ています。18,800件ついているコメントも「I love this song」など曲や動画を絶賛する内容のものが多く見受けられます。

映像は、歌詞に沿う形でNamewee氏演じる外国人観光客が困る様子と、原宿・東京タワー・相撲の土俵といった観光名所をバックに女子高生役の二宮芽生さんと踊る姿が並行して描かれています。歌詞の内容だけでなく、画でも東京の風景がしっかり映し出されていることも評価を上げている理由の1つと言えそうです。

また、テロップと字幕で多数の言語に対応しているという点は、外国人視聴者に向けた配慮として参考にしたいポイントです。歌自体は英語(と和製英語)ですが、テロップで英語・中国語・日本語が標準表示されており、字幕でさらに16の言語(韓国語・アラビア語・イタリア語など)を表示することが可能です。ポップな曲調だけでなく、大きな魅力である歌詞の妙が多言語化で伝わったからこそ、ここまで大きなひろがりになったのかもしれませんね。

日本をポップに紹介する例としてだけでなく、動画視聴のハードルを下げる工夫例としても参考にしたい1本です。

「Surf Slow SAGA, Japan 4K (Ultra HD) -佐賀市」 
ダイナミックで繊細な映像美で見せ切る

公開日:2017年9月7日
再生回数:約1,070万回 ※2018年4月4日現在

こちらは、佐賀市のプロモーション映像です。映し出されるのは、干潟などの雄大な自然や、肥前びーどろの制作風景といった佐賀の観光資源の数々。4Kの鮮明な画質と、ドローン空撮を活用したダイナミックな表現で美しく切り取っています。また、BGMも壮大で、映像をより一層ドラマティックにしています。

驚くべきことに、この動画には人によるセリフが一切ありません。テロップも最初に出る動画タイトルと最後の佐賀市のURL告知のみです。言葉の妙の面白さで興味を引く「東京盆踊り2020」とはある意味対照的です。ただ、日本語・英語でそれぞれの場所の字幕が表示できるようになっているため、映っている場所の確認ができる親切な仕様です。

本動画を制作したのは永川優樹氏。世界各国の都市の様子をYou Tubeで発信する「WORLD-CRUISE」というプロジェクトを手掛けられていた方です。東北観光推進機構によるプロジェクト「TOHOKU JAPAN」の「Winter Lights in Tohoku, Japan 4K (Ultra HD) – 東北の冬※こちらも再生回数1200万回超!」、度々このブログでも登場している「山陰インバウンド機構」発の「San’in, Japan 4K (Ultra HD) – 山陰※こちらも1000万再生超!」や、福岡市のプロモーション映像「Hyperlapse Fukuoka City, Japan 4k (Ultra HD) – 福岡 Full ver.」なども制作されている、インバウンド動画のヒットメーカーです。

本事例の成功は、永川氏の技術力と佐賀の観光資源の魅力があってこそだと思います。とはいえ、映像のダイナミックさで見せ切る手法は、言葉を使わずとも外国の方に訴求できる一手法だということがわかります。このようなやり方もあると覚えておきたいですね。

まとめ

「東京盆踊り2020」のような言葉や歌が中心の作品は、多言語化対応すると細かなニュアンスを多くの人が楽しめて親切ですね。一方「Surf Slow SAGA, Japan 4K (Ultra HD) – 佐賀市」は、ダイナミックかつ繊細な映像で見せ切り、国内外多くの人々の支持を得ています。被写体とするものに自信があるのであれば、映像のインパクトで勝負するといった方法も有効かもしれません。

また、どちらの動画にも共通して言えるのは、音楽の重要性ではないでしょうか。画との相乗効果で、「東京盆踊り2020」であればポップなイメージ、「Surf Slow SAGA, Japan 4K (Ultra HD) – 佐賀市」では荘厳なイメージを強く印象付けているように思います。特に「東京盆踊り2020」については、その印象的な音楽が再生数増加を牽引しています。映像というと「画」や「物語」ばかりに目が行きがちですが、音楽も同様に重要だと再認識させられました。

動画撮影のハードルが昔に比べて各段に下がったため、動画投稿数は激増しています。他の動画との差別化がより求められていくのではないでしょうか。また、アウトプット方法も一辺倒ではないことが今回よくわかりました。海外の人に興味を持ってもらうにはどうすれば良いか、柔軟にアイディアを考えていきたいですね。

インバウンドらぼ 編集メンバー J.M