海外でも「omotenshi」として、認知されつつある「おもてなし」。ざっくりと言えば、心遣いのある質の高いサービスのことです。その「おもてなし」の質を見えるようにするための取り組みがあることはご存知ですか?その名も「おもてなし規格認証」

認証を取得すれば、サービスの質の高さを証明できるだけでなく、公的資金の援助を受けやすくなるといったメリットがあります。

「おもてなし規格認証」を受けられるのは・・・

「おもてなし規格認証」は、2016年8月に経済産業省によって創設されました。
対象と目的は下記の通りです。

対象:顧客に対してサービス業務を行う事業者および事業所を対象
目的:(1)質の高いサービス提供を行っている事業者の見える化支援
   (2)質の高いサービスを提供したいと考える事業者への手引きの提供
   (3)消費者の高品質なサービス享受の機会増加

引用元: 「おもてなし規格認証」ウェブサイト

飲食や宿泊だけに限らず、農林漁業をはじめとした1次産業、教育・学習支援業など、顧客に対してサービス業務を行う事業者・事業所すべてを一括りに対象にしていることは、特筆すべきではないでしょうか。品質の高いサービスを提供しているにもかかわらず、アピールがしづらかったサービス分野の方も要注目です。

「おもてなし」の「見える化」を支える仕組み

「おもてなし規格認証」の「見える化」を支えるのは、「紅」「金」「紺」「紫」の4段階の認証と、その基準となる30の規格項目です。認証は「紅」から「紫」の順に取得難易度が上がっていきます。

おもてなし規格認証のランクについて

出典: 「おもてなし規格認証」ウェブサイトを基にインバウンドらぼが作成

それぞれの認証は取得後に、店頭やWEBサイトでの掲示・名刺やパンフレットへの掲載が可能な「登録証」や「認証書」が発行されます。活用することで視覚的にアピールすることができます。

4段階の基準は、7カテゴリ計30個の規格項目にどれだけ対応できているかで区分されています。「紅」については、30 項目のうち15 項目以上の実施もしくは実施する「意思」があれば取得できます。また「紅」は無料で認証を受けることができます。「金」以上の認証は有料であることに加えて、基準も厳しくなります。金は15項目以上の実施、紺は21項目以上の実施、紫は24以上の項目の実施に加えて、認証機関による審査、審査料や認証料などの費用が必要です。

判断基準である規格項目には、それぞれ具体的な内容が設定されています。一例として、外国人対応に関わるものを抜粋しました。

「おもてなし規格認証」外国人に関わる項目

出典: 「おもてなし規格認証」ウェブサイトを基にインバウンドらぼが作成
注:「NO.」はおもてなし規格認証2018 規格項目 セルフチェックシート内の番号を指しています。

店内対応に関するものだけみても、サイン・語学教育・説明ツールの用意といった具合に細分化されていることがわかります。「外国人に対応できるか」のような曖昧なものではなく、具体的に内容が設定されているので、取り組むべきことが理解しやすいですね。項目によっては一朝一夕で実施できるものではないですが、30の規格項目に対して真摯に取り組むだけでも確実にサービス向上が図れそうです。

言い方を変えると規格認証を受けるハードルは高いです。だからこそ、消費者目線だと「おもてなし規格認証」への信頼感は高いと言えます。厳しい基準だからこそ、認証を得たことを視覚的にアピールできることにメリットがあると言えますね。

「おもてなし」のための公的支援を受けやすくなる

また、「おもてなし規格認証」を取得することで、サービスの質の高さを「見える」ようにする以外にもメリットがあります。それは、金以上の規格認証を受けた事業者・事業所が公的支援を受けやすくなることです。

・サービス品質向上に向けた設備投資に必要な融資における金利減免
・サービス品質向上に向けたITソリューション導入と補助金への活用

引用元: 「おもてなし規格認証」ウェブサイト

前者は、日本政策金融公庫による「観光産業等生産性向上資金」を指しており、後者は「IT導入補助金」を指しています。

認証を得た後もバックアップ体制が整っているため、継続的なサービス向上につなげられそうですね。

まとめ

規格認証を取得できる対象が、広範で分野を問わない統一規格であることに驚かされました。多くの事業者(所)による認証取得が進み、より消費者認知が高まることを期待します。また、規格認証をバックアップする体制も理解することが出来ました。認証取得へのチャレンジは自社サービスの品質を見つめ直す良い機会にもなりそうです。

また、2月26日には「紫」認証取得の事業所が発表されました(https://www.service-design.jp/files/user/omotenashi/pdf/180226_news.pdf)。サービス向上のヒント探しとして、取組の内容をご覧になってみてはいかがでしょうか。

参考:「おもてなし規格認証」パンフレット(pdf)

インバウンドらぼ 編集メンバー J.M