みなさん、こんにちは。

観光庁より、2017年の訪日外国人旅行消費額は、過去最高の4兆4,161億円だったことが発表されました。この額の3分の1以上、38.4%(約1兆7,000億円)を占めるのは、中国からの訪日客でした。

インバウンド対策の上で、見過ごせない中国人訪日客。1年に渡り、その数は多いですが、実は月によって増減が顕著なことはご存知ですか?今回は、日本政府観光局(JNTO)発表のデータを見ながら、中国人訪日客が多いタイミングを具体的に探っていきたいと思います。

2017年、訪日中国人が多い月ベスト3は、8月・7月・9月

2017年の訪日中国人数のグラフ 図表① 2017年1月~12月 月別 訪日中国人数
参照: 日本政府観光局(JNTO)「国籍/月別 訪日外客数(2003年~2017年)」 を基にインバウンドらぼが作成。

上記は2017年、月別の訪日中国人数のグラフです。

中国は1月・2月の中で「春節休暇」という1週間の長期休暇が毎年あります。太陰暦での大晦日~正月休みです(いわゆる「旧正月」)。日程は中国国務院より毎年発表されます。2018年は2月15日~21日。2017年は1月27日~2月2日でした。日本では、正月やGWといった連休に海外旅行者が多い印象がありますよね。

では、中国の「春節休暇」はどうなっているでしょうか?該当の1・2月を見てみましょう。すると、長期休暇がある期間にも関わらず、実は訪日客が激増する時期ではないことがわかります。

2017年を含めた直近5年分の動向を見ると、それはより顕著になります。

直近5年、中国人訪日客数の推移

2013年~2017年の訪日中国人数のグラフ図表② 2013~2017年1月~12月 月別 訪日中国人数
参照: 日本政府観光局(JNTO)「国籍/月別 訪日外客数(2003年~2017年)」 を基にインバウンドらぼが作成。

上の図は直近5年間(2013年~2017年)の月別訪日中国人数をまとめたものです。これを見ると「春節」がある1月・2月は激増する時期ではない、ということに確証が持てますね。実は「春節」の時期は、里帰りする人や、友人と過ごす人々が多く、海外旅行に行く人はそこまで多くないそうです。ただ、近年は「春節」に海外旅行する人々も増加しており、2017年には過去最多の615万人を記録したと中国国家観光局も発表をしています。実際、2017年の「春節」タイミングでは、2月~6月が前年比で停滞傾向にあるのに対して、1月は32.7%と大きな伸び率を記録しています。2018年の動向も注目したいところです。

そして、7月~9月は中国人訪日客が増加する傾向という点も特筆できます。つい先日、1月22日に「じゃらんリサーチセンター」が発表した「訪日外国人に人気の観光体験ランキング」を見ると、訪日旅行で経験・実施したことに「1位 自然景観を楽しむ」「2位 富士山」「3位 田舎暮らしを体験する」とあります。「コト消費」を背景にした、自然や景観への関心の高まりが、外でも過ごしやすい夏の時期の訪日客を増やしている事の一つかもしれませんね。

それにしても、5年分を並べてみると、観光客数の激増具合に目が奪われます。2017年内中国人訪日客が1番少なかった3月でさえ、2015年水準だとトップクラスの数値です。

ちなみに、各年の、訪日中国人が多い月をランキングで並べると、下記の様になります。

2013年から2017年の訪日中国人が多い月ランキング出典:日本政府観光局(JNTO)「国籍/月別 訪日外客数 (2003年~2017年)」
参照: 日本政府観光局(JNTO)「国籍/月別 訪日外客数(2003年~2017年)」 を基にインバウンドらぼが作成。

まとめ

 今回はデータをもとに、中国人訪日客の動向を探りました。推測に対して、意外な結果(「春節」時は相対的に中国人訪日客が少ない)もあれば、想像通りの結果(夏季の訪日客の多さ)もありました。

今回の結果を考慮すると、タイミングを絞った施策を行う場合は「思い込み」に留まらず、過去データに基づいた施策が必要そうですね。ただ、5年分のデータを見てみると、1年を通して観光客が激増している事も伺えます。時期によるバラつきはあっても、訪日中国人の増加が続くのであれば、通年で行うインバウンド対策も同時に必要になるのではないでしょうか。

また、2月~6月の伸び率の停滞と対照的に1月・11月・12月の顕著な伸び率からは、冬季に関心を示しだしている層の増加があるように思います。実際「じゃらんリサーチセンター」での「訪日外国人に人気の観光体験ランキング」では、アンケート対象国の中では唯一「今後、訪日旅行で経験・実施してみたいこと トップ10」に、「スキー・スノボ」が6位に入っています。今年は平昌での冬季オリンピックも開催されるので、スキー等ウインタースポーツに関心を持つ人が増えて、11月・12月など冬季への来訪者が増すかもしれませんね。今後は、今まで訪日客が少なかった時期にこそ、リピーター層の期待を裏切らない、質の高いインバウンド対策が求められるのかもしれません。

参考:訪日外国人に人気の観光体験ランキング

インバウンドらぼ 編集メンバー J.M