2017年11月30日、『中国配車アプリ「滴滴」、来春にも日本でサービス 第一交通と組む』と報道がありました。
(滴滴はディーディーと読みます。)

タクシー配車とライドシェア(相乗り)サービスで世界最大手の中国・滴滴出行が日本に進出する。タクシー国内最大手の第一交通産業と組み、2018年春にも東京都内で配車アプリを使ったサービスを始める。
参照: 日本経済新聞

先行して日本で提供されている米配車アプリ大手のウーバーも違法か合法か様々な議論がなされているなかで、なぜ「滴滴」は日本に進出してくるのでしょうか。

現状のタクシー業界が抱える問題

当メディアでも、訪日外国人観光客数が好調に伸びているとお伝えしていますが、特に中国人観光客の数は増え続けています。
そんな中、中国からの観光客をターゲットにした「中国式白タク」が、成田空港や関西国際空港など日本各地の空港で横行しているそうです。在日中国人が中国の配車アプリを使い自家用車(ワンボックスが多い)で中国人観光客を送迎するのです。
自家用車でのタクシー行為は「白タク行為」と呼ばれ、違法です。しかし、集客から支払いまでスマートフォン上のアプリで完結するため、知り合いを迎えに来ただけと白を切られればそれまでで、現金受け渡しの現場を抑えることができないので取り締まることが非常に困難と言えます。世界では急速にキャッシュレス化が進んでおり、日本側の法整備など対応が追いついていないのが現状のようです。

「滴滴」は合法なの?

本家中国版の「滴滴」のスマートフォンアプリは「タクシー」「ライドシェア」「ハイヤー」「ヒッチハイク」「運転代行」などから、自分の好きなものを選んで呼ぶことができるようになっています。
よって、日本においては「タクシー」を選べば合法、自家用車使用の「ライドシェア」を選べば違法ということになります。
2017年11月8日、第一交通産業より下記のような発表がありました。

≪当社の基本スタンス≫

  1. 法律を無視した「ライドシェア」を進めることはありません。
  2. 利用者及び国内タクシー会社の利便性の向上に努めます。
  3. 日本国内での「訪日中国人向け白タク行為」について、滴滴出行を通じて中国当局への規制導入を働きかけます。

参照: 第一交通産業ホームページIR情報より

上記のように自家用車を使ったライドシェアを進めることはないと明言しているので、合法性を保ちつつ運用されることが予測されます。
つまり、既存のタクシーの配車アプリと同じ立ち位置で、「中国式白タク」に代わるものということではなさそうです。
しかし現状の「中国式白タク」のメリットである「運転手が中国語を喋れるの」「車両は大きな荷物を持った家族連れに人気があるワンボックス」などと比較して、同等かそれ以上の利便性がないと、問題の解決は難しそうに思えます。
「日本国内での「訪日中国人向け白タク行為」について、滴滴出行を通じて中国当局への規制導入を働きかけます。」とありますが、どこまで効果があるかは未知数ではないでしょうか。

今後、日本でのライドシェアはどうなる?

第一交通産業はライドシェアを進めないと公言していますが、2020年の東京オリンピックに向けてタクシー不足に陥ることが予測されおり、日本でのライドシェアも無視できない状況ではないでしょうか。
日本では、タクシー配車アプリの認知度がまだまだ低く、アプリを使ってタクシーを呼ぶと追加で迎車料金がかかるというデメリットもあります(迎車料金がかかるのは日本だけのようです)。
今回の「滴滴」の日本進出がよい刺激となり規制緩和が進み、ユーザーにとって便利な方向にいくことを期待します。

インバウンドらぼ 編集メンバー Y.N