ここ最近、大都市圏に集中していた訪日外国人旅行客も、徐々に地方に足を延ばし始めています。それにともない、公共交通機関があまり発達していない地方旅行で便利なレンタカーの利用者が増えてきているそうです。弊社も最近、交通関係の訪日外国人旅行客向け多言語ツール制作をさせていただきました。
そこで、訪日外国人旅行客のレンタカー利用の実態と今後の課題についていろいろと調べてみました。

増える訪日外国人旅行客のレンタカー利用者

2016年6月20日に日本政府観光局(JNTO)より発表された「訪日ドライブ旅行の現状と課題」の中で、特に利用者の多い北海道と沖縄のデータが公開されています。

訪日外国人のレンタカー利用グラフ

参照: 日本政府観光局

平成27年度、北海道では41,361件、沖縄県では、133,318件の訪日外国人観光客によるレンタカー利用がありました。 私は過去に沖縄に住んでいたことがありますが、沖縄は一部区間でモノレールが走っていますが、公共交通機関が発達していないため車がないととても不便でした。レンタカーの利用数が圧倒的に多いことも納得です。 どちらもアジア圏からの訪日外国人観光客の比率が非常に高いです。

また、2016年4月5日の産経新聞の記事によると訪日外国人の九州でのレンタカー利用が2倍に増えているとのことでした。

他には、関西国際空港や中部国際空港からの利用も年々増加傾向のようです。

このようにインバウンド観光の拡大にともない、地方に訪日外国人旅行客が足を運ぶようになり、そこでレンタカーが利用されているようです。 しかし、急速な増加にともない様々な問題も出てきているようです。

訪日外国人旅行客のレンタカー事故率は日本人の5倍以上?

毎日新聞の2016年11月26日記事に「訪日外国人の事故率は日本人の5倍以上」といささかショッキングな内容が掲載されています。

日本を訪れる外国人が急増する中、訪日客が自動車を運転して人身事故を起こすケースが増えている。中でも顕著なのが韓国など東アジアからの訪日客による事故の増加だ。レンタカー利用が増えた一方、日本の交通ルールを学ぶ機会が少ないことが背景にあるとみられ、識者は「啓発活動が急務」と指摘する。

参照: 毎日新聞

上記のように日本の交通ルールがよく分かっていないという理由のほかに、不慣れな土地での運転、不慣れな右ハンドル車での運転など様々な要因があり、対策が求められています。

国も民間も対策に本腰

「【記号・表記】東京オリンピック・パラリンピックに向け、着々と進んでいるインバウンド対策」で紹介した通り、地名の表記ルールや地図記号、ピクトグラムの見直しなど、看板や道路標識の改善策が講じられています。 国土交通省北海道運輸局では、「北海道ドライブまるわかりハンドブック」を多言語(日本語・英語・中国語・韓国語の4か国語)で作成しています。 北海道の観光情報やレンタカー利用時の注意、基本的な交通ルールに関しての情報が掲載されています。

北海道ドライブまるわかりハンドブック

参照: 国土交通省北海道開発局

全国レンタカー協会では訪日外国人向けに日本の交通ルールや運転時の注意事項を分かりやすく解説した「Car Rental Guide レンタカーご利用ガイド」を多言語(英語、韓国語、中国語(簡字体)、中国語(繁字体)で作成しています。

レンタカーご利用ガイド

参照: 全国レンタカー協会

民間企業では日本レンタカー、トヨタレンタカーがインバウンド向けガイドブックを作成し、多言語化カーナビ(英語、中国語、韓国)も提供しています。

今後の課題

「訪日ドライブ旅行の現状と課題」の最後に今後の課題が下記のようにまとめられています。

  1. 外国語対応の強化や、日本の交通規則・道路標識の理解促進
  2. 出発地での案内情報の拡充
  3. 「観光」を意識した道路標識の展開(訪日外国人の70%が観光目的)
  4. 高速道路ナンバリングと他施策との一体的なインバウンド施策の推進
  5. 業界が一体となった受入体制の取組

特に「外国語対応の強化や、日本の交通規則・道路標識の理解促進」については官民合わせて、さらなる対応が必要になってくるでしょう。レンタカー、交通関連のインバウンド担当の方で、多言語ツールの制作を検討されている方がいらっしゃいましたら、ぜひご相談ください。

参考: 日本政府観光局

インバウンドらぼ 編集メンバー Y.N