訪日外国人と聞くと「爆買い」が一番に頭に浮かびますが、本当にそれだけなのでしょうか?

観光庁の訪日外国人消費動向調査 (2016年7-9月期) によると、次の結果が出ました。

訪日前に期待していたこと(複数回答)
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日本食を食べること 73.1%
ショッピング 56.1%
自然・景勝地観光 49.4%
繁華街の街歩き 44.1%
温泉 26.5%


前年同期と比べると、
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日本食を食べること 70.5%
ショッピング 57.3%
自然・景勝地観光 45.0%
繁華街の街歩き 40.0%
温泉 28.8%


彼らが楽しみにしていることが、「モノ」から「食」へと変化しつつあるようです。

次に訪日外国人客の旅行中の消費額を調べてみます。

飲食費は旅行消費額全体の内21.1%を占めています。前年同期と比べ、旅行消費額全体は2.9%減少、一方、飲食費は2.8%増加していることを考えると、やはり「食」への関心が高まっていると言えます。
訪日外国人客の旅行中の消費額の棒グラフ

(観光庁:訪日外国人の消費動向(2016年7-9月期)より)
http://www.mlit.go.jp/common/001149546.pdf
(観光庁:訪日外国人の消費動向(2015年7-9月期)より)
http://www.mlit.go.jp/common/001107026.pdf

ここからは、訪日外国人客の国籍・地域別上位5カ国、韓国・台湾・香港・中国・米国に絞って話を進めていきます。

韓国・台湾・香港・中国・米国からの旅行客のアンケート結果によると、
最も満足した飲食の割合は、
1位が肉料理(23.5%)、2位が寿司(20.2%)、3位がラーメン(18%)でした。

国籍・地域別にみると、韓国は「肉料理」(27.7%)、台湾は「ラーメン」(33.2%)、香港は「寿司」「ラーメン」(ともに 21.7%)中国は「魚料理」(22.8%)、米国は「寿司」(29.4%)の割合が一番高くなっています。

満足した理由はいずれの飲食区分でも「美味しい」が圧倒的に多いのですが、「寿司」や「魚料理」では「品質が良い」の割合も高いです。

そんなインバウンド消費を後押しするような、訪日外国人客向けの飲食に特化した集客サービスが続々と登場しています。

日本食のマナーや文化を訴求「SAVOR JAPAN」

4カ国語(英語・中国語・台湾語・韓国語)に対応し、日本の食に関するマナーや文化を、外国人へ効果的に訴求できるグルメ情報ウェブサイトです。飲食店の情報を単に英語表記で紹介することではなく、日本の「食」と作り手の「思い」や「技術」を知ってもらえるようなページ作りになっています。
また「Free Wi-Fiスポットが少ない」「英語が通じない」など特に欧米圏の観光客には不便な点も多く、対応が急務と言われてきました。このようなストレスを最小化すべく、Wi-Fiスポットや英語メニューの有無、料理に対する個別リクエストの受付(ハラルやベジタリアンなど)などを検索機能の一部として、ユーザーが行きたいお店を分かりやすくナビゲーションするサイトとなっています。

http://hitosara.com/success/savorjapan/

日本食情報を配信する英語メディア「Japan Gourmetpedia」

寿司や天ぷらなどの解説だけではなく、 日本特有の食材や食文化についても英語で紹介しているメディアです。「ソースの二度づけ禁止」「鰹節とは何か」「〆(しめ)を食べるまで食事は終わらない」など、日本ならではのニッチな食習慣も発信しており、日本人にとっては当たり前でも外国人には「特別な体験」と感じられるような食習慣をあわせて紹介しています。

http://tokyodinner.com/japangourmetpedia/

個人経営の飲食店も英語でOK「Tokyo Dinner Ticket」

外国語での飲食店予約サービスは、すでにオープンテーブルやぐるなびなどの大手も参入していますが、Tokyo Dinner Ticketは、英語対応のサイト上で席の予約から料理の注文までが完結します。さらに、加盟する飲食店には運営会社が電話で予約を取り次ぐという点が特長です。このことにより、外国語にもIT化にも対応していないような個人経営の飲食店にもスポットが当てられます。

http://tokyodinner.com/

訪日団体旅行向けマッチングサービス「団タメ!エクスプレス」

海外からの訪日団体旅行を催行する旅行代理店と日本の飲食店とのマッチングサービスです。
サイト上で旅行代理店が食のジャンルや予算の希望を出し、加盟する飲食店がそれに対して手を挙げるというものです。中国・ベトナム・タイ・韓国・シンガポール・インドネシアなどアジアを始めとする31カ国からすでに依頼が来ており、約80%が40名以下の団体で、1団体あたりの平均消費額は9万8000円だといいます。予約するのは団体旅行客のため、ほとんどのケースでガイドがついており、 飲食店側は外国語メニューやWi-Fiを独自に用意しなくてもインバウンド予約を獲得できるというメリットがあります。

http://www.dantame.com/

まとめ

日本は、世界でも有数の豊かな食文化を誇っています。インバウンド向けの集客サービスも続々と登場して、より一層日本食を楽しみにする訪日外国人が増えると考えられます。料理のクオリティ・味そのものを満足していただくことは勿論です。が、それに留まらず、今後は付随するサービス、メニューの多言語化・外国人とのコミュニケーション・ハラルフード対策など、これらの対策も急ピッチで進めていくことが必要ではないでしょうか。

インバウンドらぼ 編集部メンバー A.F