2016年の訪日外国人数が、年初からの累計で10月30日に2000万人を超えたと発表がありました。
ビザ要件の緩和、免税店の拡大、航空路線の新規就航やクルーズ船の寄港拡大等といった、訪日客誘致に向けた官民の取り組みなどが奏功し、アジアを中心に増加が続いています。
2015年は1973万人でしたので、昨年を上回るペースであることがわかります。
訪日外国人対策、いわゆるインバウンド対策として、官民一体となって受け入れ環境の整備が実施されています。
今回は、その中でも鉄道会社の取り組みについてご紹介します。

訪日外国人の観光時の移動手段は?

三菱UFJリサーチ&コンサルティングのデータによると、訪日外国人が都内の観光で利用した公共交通機関は以下の通りです。

  • 地下鉄:85.3%
  • JR(新幹線は含まず):62.2%
  • 私鉄:24.2%
  • タクシー(貸し切りは含まず):14.4%
  • 公共バス(観光バスは含まず):12.9%

出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング

地下鉄を利用した人は9割弱、JRを利用した人は6割以上、私鉄も含め電車が圧倒的な割合を占めていることがわかります。
日本人でも特に地下鉄は乗り換えが複雑だったりと、苦労することが多々あります。 訪日外国人の方々は、どのように感じているのでしょうか。

訪日外国人に聞いた地下鉄利用の際に分かりにくいと感じるプロセス

  • 1位:目的地までのルートを定める:26.4%
  • 2位:電車を乗り換える:23.5%
  • 3位:目的地に近い出口を探す:21.9%
  • 4位:切符を買う:16.2%

路線を選び、乗車し、乗り換え、適した出口から降りる。全てのプロセスで困惑が見受けられます。

具体的には、

  • 「路線があまりにも多くてわかりづらい。」
  • 「乗り換え時、分かりやすい表示板や案内が不備なため、何回も人に聞いて確認しなければならず、とても不便。」
  • 「駅から出るのが本当に大変だった。」
  • 「切符販売機の英訳がわかりづらくて、指示が不明だった。」

と言った声があるようです。

出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング

これらの問題点を解決するために、鉄道各社がそれぞれ対策を講じています。

訪日外国人向けの鉄道会社の取り組み3選

1. JR東日本
タブレット端末を活用した多言語による情報提供の強化

訪⽇外国⼈旅⾏者への災害時の避難誘導や輸送障害時の機動的な案内を充実させるため、駅に配備しているタブレット端末に、4言語(⽇英中韓)の⾳声情報・⽂字情報で情報提供を⾏うアプリケーションを導⼊しています。

https://www.jreast.co.jp/press/2015/20160303.pdf

2. 東京メトロ
Tokyo Subway Navigation for Tourists

東京の地下鉄(東京メトロ・都営地下鉄)の乗換検索ができる、無料公式アプリを提供しています。
英語・中国語(簡体字・繁体字)・韓国語・タイ語・日本語に対応。
常時インターネットを使用することができない訪日外国人にも利用できるよう、一度アプリをダウンロードすればオフラインで経路検索を利用できる仕様になっています。

東京メトロの無料公式アプリの路線図の画像

検索時に降車駅付近のランドマークの最寄り出口が確認できるため、「目的地に近い出口を探す」のが困難な訪日外国人の悩みも解決できます。

東京メトロの無料公式アプリのランドマーク検索の画像

http://www.tokyometro.jp/mobiledevice/smartphone/app5/

3. 京急電鉄
音声翻訳アプリ搭載の駅案内用タブレットを全駅に導入

訪日外国人からの目的地への行き方やおすすめの観光スポットに関する質問など、さまざまな場面に対応できるよう音声翻訳アプリ「Voice Tra」搭載のタブレットを導入しています。Voice Traは、話した音声を認識し、シンプルな操作で内容を翻訳してくれる音声翻訳アプリです。

京急電鉄の駅員がタブレットを使用し、訪日外国人に案内をしている画像

http://www.keikyu.co.jp/company/news/2015/20160217HP_15201TK.html

まとめ

2020年に向けて、ますます訪日外国人は増加することが見込まれます。
今回ご紹介したのは、都内が中心でしたが、JR西日本・北陸新幹線・南海電鉄・JR九州でもインバウンド対策が始まっています。
高水準として世界にも認知されている日本の「交通」ですが、名実ともに満足していただくために、ますますの対策が必要ではないでしょうか。

インバウンドらぼ 編集部メンバー A.F